土屋 敦
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『イタリア料理の本』優しくたくましい、太陽と土とともにある手料理
"ザラッとした紙に、少しくすんだような薄暗い写真が載っている。パッと見たときに、ぐっと引き込むような派手さはまったくない。しかし、じ…more
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熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』
著者の岩田先生は、不思議な本を書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニ…more
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日本を愛したスパイ『ドクター・ハック 日本の運命を二度にぎった男』
書影を見て、「ドクター・ハックって、あのハックか」と思わず手に取った。著者は『満州国皇帝の秘録』『トレイシー−−日本兵捕虜秘密尋問所…more
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『洲崎球場のポール際』猥雑で、いいかげんで、すばらしい。
2015年1月23日"洲崎球場。東京の木場から東陽町あたりのいわゆる海抜ゼロメートル地帯で、かつては吉原と並ぶ歓楽街。映画ファンには川島雄三の『洲崎パラ…more
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『ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった。』
"2005年、著者は経産省から外務省に出向し、在ブルネイ日本大使館の二等書記官となる。ブルネイは石油と天然ガスにめぐまれ、東アジアで…more
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パンをめぐる濃密な冒険『パンの世界』
2014年12月3日パンを買うのが好きな人はもちろん、パンを自分で作る人たちにとっても、志賀さんは天上人のような存在だ。大ヒットした高橋雅子さんの『少し…more
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やっぱり日本の翻訳家はスゴイ!『翻訳問答』
"シンプルでセンス溢れる軽快な装丁、帯には江國香織と穂村弘の推薦文、著者は、僕らの世代だと、ハワイやサーフィンのイメージがすぐに浮か…more
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ノンフィクション好きなら必読!『ジャーナリズムの現場から』
"『メルトダウン』などの作品で知られる大鹿靖明が、10人のジャーナリストをインタビューし、まとめられた作品。人選のセンスの良さに思わ…more
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カカポ奇跡の復活! 『ねずみに支配された島』のもうひとつのメインストーリー
" ニュージーランド原産のオウムであるカカポは、体重は3〜4キロとオウムのなかでもっとも大きく、そして飛ばない。 哺乳類の…more
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伝説の奇書『くう・ねる・のぐそ』文庫化記念! 対談式文庫解説
本書は、おそらく世界中を見ても類書がまったくない、唯一無二の本。そのテーマからして他の追随を許さない、まさに「独走」状態の一冊だよね…more
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ナニコレほしい!『侍達ノ居ル処。』
2014年3月13日"細部の質感まで見事に表現された甲冑、絶妙な表情、「シャネル」ロゴの配置における洗練されたセンス、作品の背景として創作されたストーリ…more
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山に行きたい!『定本 黒部の山賊』
この本、実は1964年に発売され、その後1994年に復刊されたものの入手が難しくなり、近年は著者とその家族が経営する北アルプスの山小…more
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終了しました→『もっと面白い本』刊行記念 HONZ公開朝会のお知らせ
2014年2月27日3月3日に開催されますHONZ公開朝会ですが、定員に達しましたので、受付を終了いたしました。今回ご希望に添えなかった方には誠に申し訳…more
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『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男
教誨師とは、拘置された死刑囚と唯一面接できる民間人である。面接を望む死刑囚と対話し、ときに悔悟を促し、教え導く役割を負う。そしてさら…more
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ストン、ストン、胸に落ちる音がする。『あわいの力』
2014年1月23日甲骨文字や古代哲学に詳しい能楽師が語る、身体感覚に基づくまった新しい論考。不安と悲しみが満ちる「心の時代」を次を生きるために。more