映画『ジュラシック・ワールド』も公開され、この夏は例年以上に「恐竜」が盛り上がっています。
恐竜の事を知る本といったら、真っ先に子ども向けの図鑑を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?子ども向けの図鑑として良く読まれている4シリーズ(講談社MOVE、小学館NEO、学研LIVE、ポプラ社WONDA)で『恐竜』は昆虫、動物、宇宙、鳥と並ぶ共通して刊行されている鉄板テーマです。
この4点の購入者クラスタがこちら。
子ども向けの図鑑だけあって、パパママ世代、祖父母世代の購入が多いのが目立ちます。
この中で最も読者が多い『NEO 恐竜』読者が7月以降購入したものがこちら
RANK | 銘柄名 | 著訳者名 | 出版社 |
1 | 『コロコロコミック』 | 小学館 | |
2 |
『ONE PIECE[78巻]』
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尾田 栄一郎 | 集英社 |
3 | 『魚』 | 井田 斉 | 小学館 |
4 |
『妖怪メダル萬全集極』
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小学館 | |
5 | 『幼稚園』 | 小学館 |
一目瞭然、子ども向けの商品が並びます。複数の図鑑シリーズの「恐竜」を購入される方の姿も見られました。恐竜好きは比較して愉しんでいるのでしょうか?
さて、では大人の恐竜好きは今、何を読んでいるのでしょう?
今「恐竜もの」の中で最も読まれているのは(過去2ヶ月の売上ランキングより)
『ティラノサウルスはすごい』土屋健・小林快次(文藝春秋)でした。
こちらは新書ということも関係してか、40代以上の男性読者によく手に取られているようです。
それではこの読者が併読しているタイトルの中から興味深いものをいくつか紹介させていただきます。新書読者の併読本だけあって、生物だけでなく歴史や政治まで様々なジャンルの本が並ぶ大変バリエーションに富んだラインナップが生成されています。この本は入門書としての役割も果たせる内容になっているため、ふと気になって恐竜ものを手に取ってみた…という方も多いのではないでしょうか?
小林快次さんによる著作。「鳥類が恐竜の子孫だった」という話しを聞いたことがあるという方も増えていそうですが、全ての恐竜が絶滅したわけではなく、進化した「恐竜」もいるのだ。というのがそのタイトルの意味だそうです。
古代生物を研究するのと同じくらい、自分たちの先祖について知ることも大事な事です。これは、古代人(ネアンデルタール人)のDNAの増幅という困難な研究を成功させた著者の苦闘の歴史が描かれた1冊です。ネアンデルタール人と我々人類の祖先のルーツが、DNAによって明かされたということ、それを成功させた気の遠くなるような作業、どちらにも驚くことしか出来ません。
一昔前の子どもたちが慣れ親しんだ恐竜の姿は、研究の進化にともない大きく変わってきています。知識の更新のために恐竜本を手に取りたい!という方にオススメなのがこちら。体の色、声、もう今は存在しないことになっている恐竜などなど海外メディアで絶賛された本の邦訳版です。
本格派向けにはこの生物ミステリープロシリーズを。地質時代ごとに、古生物の情報やトピックをまとめたシリーズです。名前からもマニアックなプロものを想像しますが、こちらは書店店頭でも手に取る方も多い作品になっています。ジュラ紀に続き、今月は恐竜が世界に君臨する白亜紀を描いた『白亜紀の生物(上下)』も発売となります!
最近、世界の終末をテーマとした本の出版が増えてきています。地球ではこれまで5度の大量絶滅が起こっていると言われ、それらは突然の大規模災害によって引き起こされているそうです。今もまさに絶滅時代だとこの本は説いています。その原因、絶滅を食い止めようと取り組む研究者たちの姿などなどを余すところなく書いた話題作です。
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多くの子どもたちが夢中になる恐竜ですが、その姿や常識は大きく変わってきています。昔から持っている図鑑と今の図鑑を比べてみてその違いを愉しむというのも面白いかもしれません。残り少なくなってきた夏休み、親子で愉しむのも、大人だけでじっくり愉しむにも「恐竜」というテーマはオススメです。
そうそう、併読本リストの上位に入っていた大事な本を忘れていました。
こちらはこの夏休み、大いに売れている1冊となっています。