HONZをご覧のみなさま、こんにちは。
『書店員がこれから売る本』の企画に参加することになって早くも三回目となります。
毎回、文章を綴ることの難しさと格闘しながら記載していますが、書店員として楽しみながらお伝えしていきたいと思います。
まずご紹介しますのは『全国飲食チェーン本店巡礼~ルーツをめぐる旅~』吉野家、松屋、マクドナルド、モスバーガー、サイゼリヤ、天下一品、餃子の王将、ミスタードーナツ等。誰でも知っているであろう飲食店の名前です。
切っ掛けは、天下一品の本店で食べたラーメンの味がいつもと違うと気づいたこと。そこから本店を巡る旅が始まるのです(自腹で)。食べることが好きな私は、味を比べたくて仕方ない。人気を出すためには基盤となる本店があり、その味はお店がたくさん出来ようとも、守られ続けているのだなと思いました。この本のルーツとなった一番最初のお店。天下一品に行ってみたいと思います。皆さまもぜひ、お近くに寄った際には自分の舌で味わってみてはいかがでしょう。
食事といえば、タイ料理が好きな私。店内を整頓していた時、見つけました。『タイのことがマンガで3時間でわかる本』朝日ビジネスソリューション
互いの文化からくる相違は、仕事をする上で必ず問題になるかと思います。時間に正確といわれている日本人ですが、タイの方の見解は違っているのです。読んでいて、目から鱗。解説も分かりやすく文化の壁に対するハードルを少し低くしてくれた気がします。今度タイに行ったときには、また違った認識を持ちながら現地の方と接することができるかなと思わせてくれました。
アジアの国を旅していると、子どもたちが楽しそうにボールを蹴って遊んでいる姿を見かけます。
サッカーのことは良く分かりませんが、ボールを兄弟または友だちと笑顔で追いかけているのです。ふいに感動すら覚える光景。それに似た感動をこの本から感じました。
娘が所属しているサッカーチームの練習を見に行っていたはずが、あることが切っ掛けで「お父さんコーチ」となり、目標へ向かいながらも、子どもたち、そして娘や息子と切磋琢磨する日々を綴っています。著者のお母様の言葉が、私の胸に響きました。揺れ動く感情が人間として必死に生きようと努力されているように感じました。サッカーを通して様々な成長を感じられるのだなと思ったのです。ボールを蹴り相手にパスをすることは、『想いを繋げる』ことと等しいのかなと思いました。(※東えりかのレビューはこちら)
人間の成長。年を重ねるごとに成熟という言葉へと変わっていくのかもしれません。尊敬している女性のお一人。曽野綾子さんの本をご紹介したいと思います。
正直、耳が痛いです。けれど、曽野さんの文章は丁寧に語りかけて下さるので素直に心に吸収されていきます。すぐ行動に移すことは出来ないと思います。私はそれでも良いと思うのです。自分の中で、目標の人間像があるのですから、見失いそうになっても本が示唆してくれるように思うからです。未熟な面はたくさんありますが、一冊の本から多くのことを学び感じ取ることが出来る。それはとても幸せだと思いました。
小さいときから自身に課している思いに似た項目があります。『「自分さえよければいい」という思いが未熟な大人を作る』という部分。考え方は千差万別なので一概には言えませんが、自分さえよければいいという考えだけは持たないように生きていたいと思っています。足掻いてもずっと未熟かもしれないです。それでも、日々を大事に軌道修正しながら生きていたいと思わせてくれた本でした。今後も事ある毎に読み返そうと思います。
大事に生きていると目を背くことの出来ない現実に向き合うこともあります。どう表現すれば良いのか分からなくなるときがあります。そんな時は空を見上げましょう。そして笑顔になりましょう!
最後にご紹介させて下さい。
題名の通り、スカイツリーを撮る人を撮った写真を掲載しています。捲っても捲っても上を見上げる人。皆さん笑顔で無邪気です。(※内藤順のレビューはこちら)
とても心が和みます。人は顔を上げれば気持ちも上向くのだと思います。そうして、また明日も元気でいられますよう。笑顔よ、届け!ありがとうございました。
髙橋佐和子
1982年、AB型。埼玉県にて育つ。
大手書店、街の書店を経て、2012年11月オープニングスタッフとして現書店で働く。
地図ガイド・児童書・文庫のお手伝いをしているが、文芸をこよなく愛するアルバイト。
本と同じくらい愛しているのは吐息が出るほどの美味しい日本酒。
【山下書店南行徳店】
〒272-0138
千葉県市川市南行徳1-16-1
TEL 047-314-5898
FAX 047-307-8977
「当店のフリーペーパー『ギフト』隔月刊行予定。地元に愛されるお店を目指す。」