昨日、吉祥寺で買った本のなかから、新書を何冊か紹介してみよう。まだ、帯と目次以外はいっさい読んでいない。なぜ買ったのか、なにを期待しているのかを説明してみたいと思うのだ。
『ペニシリンはクシャミが生んだ大発見』帯が良い。「心臓ペースメーカーは、靴墨の缶で作った!」とあり「図版多数」と念を押している。全25話のオムニバスだから、面白そうな話だけをつまみ食いできそうだし、図版にざっと目を通せば記憶に残る。それぞれの章のタイトルだけ読んで、中身を当ててみる自問自答のクイズごっこもできる。もし、25話のすべてが面白そうならば、トイレ送りだ。1回1話である。ちなみに我が家の場合、トイレ送りになる本は読了予定の本であるからエライのだ。
『ニワトリ 愛を独り占めした鳥」まず、タイトルが良い。しかも著者は『パンダの死体はよみがえる』などでこの分野の第一人者にして、手練の書き手である。全5章でそれぞれ「なぜ人はニワトリを愛でるか」「家畜の最高傑作、ニワトリ」「ニワトリの栄光と苦悩」などと、端的で魅力的なタイトルだ。間違いない。この本は真っ当に作られた面白本だ。奇を衒っているようで、じつは読み応えがあるはずだ。ちらっと見ただけだが、もしかするとイラストは書き下ろしかもしれない。
『日本の食欲、世界で第何位?』米、ジャガイモ、チキンなど主要食物の国別消費ランキングに、なんらかの蘊蓄が書いてある本らしいと推測がつく。著者は旅行添乗員だから、奇想天外の面白いエピソードが載っているかもしれない。しかし、ありがちな企画でもあるから、あまり期待しすぎないで電車の中で開いてみる本。
『創るセンス 工作の思考』模型を作るための金欲しさに、作家を始めたという森博嗣のエッセイ、だろう。著者は大学の先生が本職だったから、本書がもし現代若者論や、手作業は技術立国のための礎のような話になっていたら、1割読んだところで挫折するであろう。教育なんてちゃんちゃらおかしく、工作大好き少年のままでいることがエライという文脈を期待したいところだ。
『知っておきたい有害物質の疑問100』これは全ページに目を通すであろう。知っておくべきマニュアル的な本として買った。相変わらずレイアウトなどに工夫があり、非常に良くできているという印象だ。ともあれ、読み物ではないので準読了として本ブログでは紹介されるであろう。読み始めると、付箋を貼りながら1時間で終わるはずだ。
『福田和也の超実践的「文章教室」』福田和也本は惰性で買うというか、まるで福田和也の「肥し」である。古典や小説を読まないことの罪滅ぼしでもしているようだ。ダメだ。この文を書いている間に「吉村昭」の章を読んでしまった。この本は新幹線や飛行機などの長距離移動用。それにしてもこのような本は書評向きではないので困る。
『秀吉を襲った大地震』帯に書かれている「地震考古学」、正直なところ内容はなんとなく想像がつく。断層も遺跡もともかく掘り返すことから始まるはずだからだ。著者には申し訳ないが、ちらっと読んでおしまいかもしれない。じゃなんで買ったのかというと、経験上このたぐいこそ、とんでもなく面白かったりする可能性もあるからだ。