kiokadaさんからいただいたコメントに対するレスポンスである。本書は20才の時に読んだ。読了後、日銀に入りたいと熱望した、外務省でももちろん良いと思った。しかし、学力が全くついていかなかった。本当に悲しかったのは覚えているが、結局すぐ忘れて別の本を読んでいたのだろう。もちろんお会いしたことはないが、服部正也さんはいまでもボクのヒーローである。
1965年のルワンダに家族とともに中央銀行総裁として就任した著者は、「はじめに」で本書を書く理由として、ルワンダ経済の発展過程を紹介するということだけではなく、「アフリカ諸国に対する日本人の感心が、もっぱら資源とか市場をかの、現実的な利益を中心としており、国民というものに対しては、あまり考慮が払われていないことに対する危惧」だというのだ。
恐るべき言葉だ。30年たっても全くあてはまるし、中国などはまだそのことに気付いていない。本書の若干でも読み直すだけで、kiokadaさんのいうように、確かにアフリカをまだ見捨ててはいけないと確信できる。もちろん『キリマンジャロ』の石先生も本当に見捨てているわけではないと思う。
このころの中公新書はシュタイナー学校を描いた子安美知子の『ミュンヘンの小学生』や上山春平の『神々の体系』などが記憶にある。たぶん、中高生のときに読んだ会田雄二の『アーロン収容所』が中公新書との付き合いの始まりである。