「春の研修会」からはや5ヶ月。新しくメンバーになる人あれば退会する人ありで、久しぶりに顔を合わせましょうと言う話になったのが7月の初頭。仲野徹の上京にあわせて日程は決まったのだが、その仲野から「前日は夜会にしよう」という爆弾発言があった。
じゃあ会場はここで、と成毛が決めたのはメキシコレストラン。酒はビールとテキーラしかない、ですって!!
はい、予想通り、時間通り朝会に来られたのはメンバーの約半分でした。もう次から前日の夜会はよそう……。
波乱含みで始まった朝会ですが、始まってみれば面白い、面白い。大笑いの2時間でした。
◆まずは冬木糸一。最近のレビュー本数はいちばんじゃないかな?
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実にキャッチーな3冊。アマゾノミクスは読んだ人が何人かいて賛否両論だった。言いも悪いもこれからの「物を買う」という行為に影響を与える本だと思う。
◆発売されてから間をおかずにレビューをアップする澤畑塁。読むのが早いなあ。
『国語ゼミ』がメンバーの興味を惹く。大学の講義で聞いて感動したという澤畑。文章を書く人なら絶対に参考になるそうだ。その場で買う人続出。女性研究者ものも心理学での「忖度」ものも、今読んでおきたい。
◆初めての朝会登場。新メンバーの西野智紀
『科学捜査ケースファイル』は私もイチオシ。日本の野性動物写真家の第一人者、宮崎学の写真集は気になるなあ。
◆前の晩の影響がまったくなく、爽やかな笑顔の仲野徹
関西のスーパーマーケットに行くとソースとポン酢の種類の多さに驚いてしまう。「お気に入りのマイソースが家族それぞれにあるんや」と説明してくれた。宇宙人にアブダクションされる理由はみんな知りたいらしく、読んだり買ったりした人多数。
◆いくらか前の晩の影響が顔に出ていた首藤淳哉
『石つぶて』も『CHAVS』も「ああ~~」という声多数。どちらも大注目されている本だ。赤い装丁のこの本を出したメンバーは何人もいた。ヤクルトスワローズという球団は嫌われないよね、という話も。
◆朝会まで読みたい本を自制していたという小松聡子
若年性認知症の丹野さんは、いま一番注目されている人。ブルマー小松としては「性表現」についての本は外せない。人生の内で無職の時代は必要か?はちょっと考えてみたい。
◆海外で新しい見聞を広げているアーヤ藍
古典落語を聞きながら眠りにつくというアーヤ。心に残る名台詞が多い。インタビューをすることもある私は木村俊介さんの本は要チェック。ソウルでは新しい書店の波がきているそうだ。
◆前の晩の影響を隠しきれない田中大輔。
カルチャー最前線的な本は田中らしい。私の世代だと渋谷が音楽の町っていうのは少し違和感があるけど。『新悪魔が憐れむ歌』は映画が好きな人は要チェック。
◆仕事上での編集担当本が終盤でお疲れモードの塩田春香
塩田はブレない。生物に無償の愛と興味を持ち続けている。それにしてもドジョウのおならの写真を嬉しそうに紹介するのはHONZの朝会ならでは、だろうなあ。
◆今回は推薦本がダブりまくりの内藤順
開高健賞を受賞した『マラス』の第二弾『マフィア国家』が面白そう。ナチスがチベットから仏像を持って帰ってきたという話も興味深い。「こんな本ばかり紹介したらひどいヤツだと思われそう」と心配する内藤であった。
◆国際薬膳師としても活躍中の麻木久仁子
現代のテクノロジーと古くから残る民俗学の融合は時に驚くような変化を起こす。食べることと交わる/殺すこと、という関係も知りたい。土地と水は命の元。これも面白そうだ。
◆「二度寝しちゃった~」とすまなさそうに遅れて入ってきた足立真穂
どんな業界にも専門誌は複数あり、その比較をした本はみんなの興味をそそる。料理教室を開いている麻木によると「発酵」はいまトレンドなんだそうだ。第一線で活躍するデザイナーの思考とはどんなものか?これも面白そうだ。
◆夜会の影響が色濃く残る峰尾健一。どうやら最後までヨッパライたちの世話をしてくれたらしい。
「虚構新聞はフィクションと違うの?」という仲野の鋭い指摘。そうでした、朝会はノンフィクション本の紹介に限るのだった。緻密に描かれた1940~60年の住まいのイラストは懐かしいような、新しいような。
◆締め切り続きで夜会に出られなかった東えりか
呪術大国の中国で最も恐れられている蠱毒の呪式を古文書から徹底解説。これは背筋がぞぞっ!平安貴族の乗り物の牛車を豊富な図式から解説。幼いころから持ち続けているぬいぐるみは、人からみたら少し怖いかも。
◆「併せて読まれたこの一冊』担当の古幡瑞穂には恒例の「これから売れそうな本」を紹介してもらう。
『うんこ漢字ドリル』の大ヒットでにわかに活況を呈してきたドリル本。非日常的な出来事を英語でどうやって説明するか?この世に存在しない土地が、実は地図に載っていた?人類の悩みはすでにほとんど解決されている?途方もない金額を自分の興味につぎ込む人たちの生態は?などなど、どの本もみんな買ってしまいそうだ。
出席したメンバーのオススメ本はここまで。「へぇ~」ちう感心と「それ、面白くない」の一刀両断仕事で笑いに包まれた朝会でした。欠席した者を含め、酒に負けた者のオススメはまた追って紹介します。夏休みの旅行に持っていく本の参考にしてくださいね。