昨年の8月以降、成毛眞を筆頭に、東、土屋、内藤が猛烈に忙しくなってしまい、開催できなくなってしまった「朝会」。一度中止すると復活が難しく、そのままずるずると開かれないままここまで来てしまった。
しかしその間、新しいメンバーの加入、交代などもあり、どこからともなく「やろうよ!」という声があがった。折よくHONZの活動をドキュメンタリー動画にしたい、というお話をいただいたので、ではバトルの様子を録画してもらおうということになった。しかし、そんなオタクな世界、見て楽しいのだろうか? 若干不安を感じながら、4月22日朝7時、六本木のd-laboへ集合した。
さすがに久しぶりのことはあって、参加者は多い。遠方の仲野徹はスカイプ参加。野坂美帆は息子さんの登校時間に重なるため欠席。鰐部祥平は昼も夜もなく働いているらしく、「おやすみなさい~」というメールとともに欠席。
新メンバーはマンガHONZにも属している永田希と、内藤がスカウトしてきた冬木糸一。転職をした遠藤陽子に代わり、事務方をお願いする井上美友紀と仲尾夏樹。社会人にようやくなった刀根明日香は引き続きメンバーとして参加が認められた。欠席は月末までに5万字の原稿を抱える土屋敦と、新聞記者としてなんかトラブルがあったらしい栗下直也。
成毛眞の「みなさん、ひさしぶり~。楽しみましょうね」という挨拶で、8か月ぶりに朝会スタート。
まずはスカイプで参加の仲野徹。久しぶりなので使い方を忘れてしまっていたらしい。
高校生物の副読本。これが驚くほど素晴らしい出来栄えだという。さすが教育者。
付属のレンチキュラーレンズを使うことで、人体組織の立体的な認識を可能にしたかつてない3D組織病理画像集、って先生、専門過ぎます…
産科医療のなかで一番注目されている分野。この25年余りで一番変化したところ。
剛腕の広告マン、内藤順
40代になったばかりの内藤にとっては「変なおじさん」でしかない、という黒川紀章。しかし相当早い時期から、現代を予告していたという。そっと候補から外す麻木久仁子が悲しい。
シリコンバレーで一番注目されるベンチャーキャピタル(VC)「アンドリーセン・ホロウィッツ」の共同創始者ベン・ホロウィッツから、投資家へのアドバイスを詰め込んだ一冊。
遠藤周作『海と毒薬』の元となった終戦間際の生体実験を検証する。
マンガHONZがプロデュースする、渋谷にお酒を飲みながらマンガが読める店「トリガー」。クラウドファンディングで資金調達をしていたが、この日晴れてオープンが決定。初代店長に就任予定の永田希(男性です)
栗下無くともエロは死なず。井上章一が主催する研究会報告の最新作。
見た目はグロくても、食べたら美味しい深海魚。
実は私もこの本は大好物。音楽は歴史と共にミクスチャーの文化でもある。ワールドミュージックが好きな人は必読。
相変わらず分厚い本をガンガン読んでいる村上浩。
ひょんなことから法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の委員に選ばれた周防正行。理不尽と闘う。
みんながため息をつくほど厚い本。しかし普通の私たちでも、適切な思考の道具を携えれば
難解な問題に立ち向かうことができる、という技術を伝授。面白そうだ。
金融庁証券取引等監視委員会の行政官が、法律専門誌『金融法務事情』に86回にわたって連載した金融市場のホンネ。東日本大震災事業者再生支援機構設立準備室長としても活躍。
世界中を駆け回る商社マンの久保洋介。久しぶりに顔を見た。
第2次世界大戦直前、中島飛行機の設計者・中川良一は、最新鋭の次世代エンジン「誉」を完成させるが、これが活用されることはなかった。草思社文庫はいい本を出すなあ。
GWの目玉観光地となる真っ白な白鷺城。 その改築を余すところなく解説。昨年、早世した時代小説作家・山本兼一のリポートも読みどころ。
その地形のでき方がわかると。自然も歴史も見えてくる。
新鋭・冬木糸一のレビューは骨太。難解な本も易々読みこなす。
2045年、私たちの生活はコンピュータによってどのように変わるのか?NHKスペシャル『NEXTWORLD―私たちの未来―』をさらに解説。未来は幸せになれるのか?
脳科学者・オリヴァー・サックス の出世作。映画にもなった謎の脳炎の後遺症が、ある薬で劇的に治った。しかしその後に悲劇が。現実に起こったこととは思えないノンフィクションの文庫化。
押井守は、最強の映画監督である。その理由は?
そろそろ就活を考え始めた学生メンバー、峰尾健一 今日もカブりまくり…
イジられやすい雰囲気を持つ峰尾。かなり突っ込まれていたが、本書を説明し始めると、みんなフーンと驚く。だから、鳥モノにハズレはないんだって。
日本の農村の原風景と言えば水田。しかし奨励された江戸時代、本当にこれが人々を幸せにしたのだろうか。新しい視点で見る江戸時代。
いつの時代も、今は大変な時代だと思っている。長い人類史の中、今はどんな時代なのかを解き明かす。相対的な判断はどうやって行えばいいのだろう。
戦後70年。インド洋アンダマン海の日本軍政下のカーニコバル島で島民による「スパイ事件」が持ち上がる。苛酷な取り調べの末、処刑される島民たち。無辜の命を救うため一人の大尉が立ちあがった。
今発売中の「考える人」の特集「数学の言葉」を担当し、精根尽きた足立真穂。しかしすごい内容だこと!
『三省堂国語辞典』編集委員の著者が探究する、今よりちょっと上の日本語生活。 さりげないけれど、知っているとお互い気持ちよく過ごせる表現方法。ちょっと変な敬語が最近多いからねえ。
真面目な研究なのに、なんでこんなに変なの?という論文大集合。一見、役に立たなそうな研究が世界を救うかもしれない。
著者は米国コミック界の大御所。アメリカで最も権威ある漫画賞といわれるアイズナー賞は彼の名前からきている。遺作ともうべき本書はユダヤ人は世界征服をもくろんでいる―。そのイメージはいかに作られ、なぜ今も浸透しているのか、というもの。永田がこの本の著者アイズナーの名を聞き、飛び上がって驚いていた。
入社し配属も決まった刀根明日香。シフトせいなので、この日は公休。
おなじみ、福岡伸一先生のニューヨーク滞在記。
東日本大震災のあとの福島原発事故。放射能で汚染されてしまった牛を生かすべく、牛飼いたちはどうしたか。
去年の春、急逝された安西水丸最後のエッセイ集。脱力のイラストも見納めである。
この春、異動がきまり、残務整理でてんてこまいの塩田春香
こんなところで生きられるの?アメリカを代表する海洋生物学者が過酷な環境に生きる、海の生物を解説する。JAMSTECにもう一度行きたい。
昭和天皇のヒドロゾア、今上天皇のハゼ、秋篠宮さまのナマズ、ニワトリと、天皇家は生物学にかかわりが深く、その業績は世界的に知られている。実際の評価を含め、現状を分析する。
町の書店には名物オヤジがいてほしい。岩波ブックセンターの代表として、神保町の顔として、85歳の今も本と向きあう柴田信さん。その人生は本屋と出版社が作ったものだ。
ゴールデンウィーク進行という荒波に揉まれ、青息吐息の東えりか
今から16年前に起こった、イギリス人女性失踪事件「ルーシー・ブラックマン事件」を覚えているだろうか。あの事件の裏にある、日本という国の別の顔を10年かけて取材した傑作。
アラスカの町にあらわれ、住民たちに溶け込んでしまった黒いオオカミの物語。オオカミ問題に対するひとつの答えでもある。
かつて世界的にあった首狩りの風習。日本にも首級を上げたことで褒美がもらえたという歴史がある。各国にあった首狩りはどんな意味を持っていたのか。
4月で大手書店を退社。現在求職中の田中大輔
笑いにグローバルスタンダードは存在するのか?大学教授とジャーナリストがNY、日本、パレスチナ、北欧、アフリカへ笑いを探しに旅に出る。
「オタサーの姫」という言葉をよく聞くと思うんですけど…という田中に「全然知らん!」と返すメンバー。オタク男の集まりに一人だけいる女性のことだとか。女性心理をついているような気がするな。
最近、女装男子が増えている?ジェンダーを超えることで何かが変わるのか?ちょっと興味がある一冊。
オマーン・スルタン国大使館でArab Week 2015 Art Exhibitionに出展した新井文月
多くの根強いファンを持つマイルス・デイヴィス。長く絶版になっていたものが再発された。ジャズファンが必読。
丁寧な作りで評判のいい「ジャパノロジー・コレクション」。盆栽も世界的に人気が高くなり、外国人が買っていくお土産の定番でもある。
盆栽の次は苔?緑のすべすべした苔には、科学的な理由があった。確かに京都のお寺の苔はきれいだけど。
最近引っ越しをして、心機一転の山本尚毅
こんな新興宗教がアメリカにあったのか?性を教祖の管理下に置き、優生学的生殖実験を行っていたオナイダ・コミュニティ。消失はしたものの、今でもレーブルウェアの会社として残っているそうだ。
思想家、 福田恆存が全国の学生と合宿し特別講義を行った記録。山本は初めて福田 恆存を知り、すっかり嵌ってしまったそうだ。
朝会の間に村上浩がレビューをアップ。先を越されたね。
成毛眞も多忙を極めている。イングレス熱はさめていないようだけど。
聖書に忠実に地質学を読み解いていく一冊。なかなか難しいと久保洋介。
新しい種が生まれた時、なぜそれが古い種にとってかわるのか? ”最適者”はどこから来るのか?
5000次元の組み合わせを解くことのできる数学とコンピューターが、「最適者の到来」の道筋を解きあかす。難しかった~、と村上浩。面白いけど紹介しにくいと仲野徹。みんな早いよ。
駿台予備校の名物教師が行った原子・原子核についての基礎講義。原子力について理解を深めるために、科学上の発見や研究の発展を歴史的にたどりながら、ていねいに解説する物理学の入門書。
長くなってしまったので、ここで、コーヒーブレイク。相変わらず面白そうな本を見つけてくるものだと感心する。本を自慢しあう朝会は、やっぱり楽しいなあ。できるだけ開くことにしよう。
欠席者とおまけはまた後ほど。ゴールデンウィークに何の予定もない方は、本選びの参考にしてください。買い過ぎてしまうかもしれません、どうぞお気をつけて。おほほ……