入学式、入社式と4月の頭は世の中に新人が溢れています。ほんのちょっとした、例えばラッシュの電車に乗った時の位置取りとか、ランチの並び方とか、仲間内でのおしゃべり声の大きさとか、社会のルールともいえないことですが、慣れていない新人に対して軽い憤りを感じてしまいます。心の狭いことであります。入社式を終えたばかりの刀根明日香はどうしているでしょうか?心配です。
さて、朝会欠席者の「今月読む本」を紹介しましょう。コメントは本人のものです。
まずは、朝日歌壇の常連歌人、米国で終身刑中の郷隼人の本。
もう一冊は、ちょと専門的。Y染色体というのは、男を決定するためだけに存在する。何百万年か先に消える説もあったのですが、さすがにそれはないという論文がでてます。
大阪ローカルのテレビ、STAP細胞の解説で大忙しの仲野。ミヤネ屋は時間があわずに出られなかったようです。出てたら全国ネットやったのに……とぼやくことしきり。
『軍事力の効用』の著者は元英陸軍大将で、湾岸戦争では英陸軍機甲師団を指揮しています。かなりこってりした内容のようですが、装丁がオシャレでカッコいいです。
『図解 組織・結社』
見開き2ページで様々な組織の概略が組織図とともに紹介されています。自衛隊の階級からテンプル騎士団の身分構成まで、ちょっとした空き時間につい読んでしまいます。
『ハンナ・アーレント』 昨年日本で公開されたアーレントの映画がすごくよかったので買ってみました。
シリアル・イノベーター:大企業のR&D部門で粘り強くイノベーションを起こす人材を調査した本。シリコンバレーとは違う、らしい。
超発明:SF的想像力でこの世に存在しない道具やサービスでいっぱい、イラストを見ているだけで楽しい。
脳の中の時間旅行:人が感じる時間と実際の流れる時間は違う、なぜ?を徹底解明。
ことわざというのは古くから言い習わされてきた教訓などを含む言葉のことだけど、その成り立ちが人の習俗に由来するゆえに、今はもう消えてしまった物や習慣に付随するように使われなくなったことわざもある。知らないことわざも多く、新鮮。薀蓄が楽しい。
絵画の価値について、考えさせられる1冊。20世紀最高の贋作者ハン・ファン・メーヘレンの生涯を追ったスリリングなノンフィクション。武田ランダムハウスジャパン『私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件』(2007)を改題文庫化。再流通してくれた筑摩書房ありがとう。
日本と外国では建築にどんな意識の違いがあるのかなあと思って手に取ってみた一冊。中国で仕事をするかもしれない建築関係者はぜひ、なのだけど、中国という国を知るための読み物としても面白い。建築という切り口は、あまり目にしたことがないので。
『下北沢ものがたり』
何年間か毎日乗り換えしていたので、再開発前の下北沢がなつかしいです。
『南太平洋のサンゴ島を掘る: 女性考古学者の謎解き』
『人類大移動』の著者のフィールドワークの様子が描かれていておもしろいです。
『オタク的想像力のリミット: <歴史・空間・交流>から問う』
完全にタイトル買いです。まだ読んでいませんが、『動物化するポストモダン』を含めたオタク論集ということで、おもしろそうです。
スケジュール詰め過ぎと花粉症でダメダメ。杉のないどっかでちょっとゆっくりとしなければ、と旅行にいけばそこは美食の街だったり、ともかく何もしないで過ごしたい…というか、何もしないでも生きていける自分をまず再構成したい…普通のおぢさんになりたい…(成毛眞談ww)
江さんの『有次と包丁』としたいところですが、かぶっているのでやめて
『謝るなら、いつでもおいで』あの事件のその後、気になったので。一気に読めます。
『実録 戦国北条記 戦史ドキュメント』、『城を攻める城を守る』もそうですが伊藤潤がノンフィクションのジャンルに乗り出してきたらヤバイというか、楽しみというか。読んでませんが。
栗下直也
『日本の居酒屋文化 赤提灯の魅力を探る』説明は要らないはず。みなさんお馴染みのあのマイク・モラスキー先生の新刊です。
『「他者」たちの農業史-在日朝鮮人・疎開者・開拓農民・海外移民』
たまにはお勉強。「他者」なのかは謎ですが。
『禁欲のヨーロッパ』
かなり前から積ん読状態ですがそろそろ読みます。もちろんタイトル買いです。めくってもいません。
『江戸学入門 江戸の理系力』明治前の日本の発明品を見てると、日本人で良かったと思います。「茶運び人形」が最高に可愛いです。
『右翼と左翼はどうちがう?』
HONZの朝会では必ず飛び出す、「右翼」と「左翼」の言葉。あやふやな知識を固めるために。両方経験した著者が、簡単に説明してくれます。
『私もパーキンソン患者です』
難病経験者が語る社会保障制度。人ごとに思わないための勉強本に選びました。
刀根明日がが社会人になった途端に3冊の本を推薦してきた。よし、新入社員でも許さないぞ、今月はちゃんとレビューを1本あげてくること!
あとはおまけの本を。今回はカブりが少ないので、みんなの手持ちが豊富だった。
久保洋介
これからの生命保険はたいへんだなあ。
峰尾健一
田中大輔
世界で活躍する女性カメラマン11人の競演。
内藤順
一昨年、鈴木葉月がこんな本を読んでいたね、と話題に。
麻木久仁子
こんなとんでもない巻き寿司の本があっていいんでしょうか?作り方もわかりません。
東 えりか
小説ですが、事実の部分が面白く読み耽っています。
朝会当日はまだ手に入れられなくて、今日はもう品切れ。話題沸騰の一冊です。実は、今回の私の◎はこの本でした。
新井文月
ダンサーとしてあの所作の美しさを取り入れたい、とか。
鰐部祥平
鰐ちゃんらしくなーい!と声が上がったものの、いやこれは面白そうです。
土屋敦
野坂美帆
「数学」「宇宙」が同時発売。理工書担当として口に出すのも恥ずかしいちょっとした初歩的な疑問にも簡潔な答えが。入門書は対象読者の設定がキモ。「初歩の用語や考え方は押さえておきたい」からさらに一歩、知的好奇心溢れる大人向けの内容で、読みごたえあり。
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東京の今年の桜ももう終わり。千鳥ヶ淵のライトアップの最終日を見てきましたが、風に散る桜の花びらはとてもきれいでした。恒例のインド大使館での桜祭りで、食べたことのないインド料理とインドワインでいい気持。来年はHONZの花見をしようと心に誓いました。
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さて5月の朝会は連休明けの7日。果たしてみんな集まるのでしょうか?ちょっとドキドキしつつ、今月も読書に勤しみます。ではみなさん、良い読書を~。