昨夜、Facebook上でお騒がせいたしました注目の新刊はこれでございます。間違いなくHONZメンバーが先制攻撃をしてくると思われるため、決死の「新刊超速レビュー」で紹介することにいたしました。
なにしろ本書は全編にわたった広島弁・やくざ弁で構成されるという奇跡のキリスト教史。東映のヤクザ映画を見ていた年代の人々にも、そうでない人々にも驚愕の一冊であります。いやはやスゴイです。なんせね、目次からしてスゴイ。
第1章 やくざイエス
第2章 やくざイエスの死
第3章 初期やくざ教会
第4章 パウロ–極道の伝道師たち
第5章 ローマ帝国に忍び寄るやくざの影
第6章 実録・叙任権やくざ闘争
第7章 第四回十字軍
第8章 極道ルターの宗教改革
終章 インタビュー・ウィズ・やくざ
帯には「あいつら、言うてみりゃ人の罪でメシ食うとるんで」のキャッチ!「エンタメで学べる画期的キリスト教入門」とありますが、こりゃあエンタメというか、普通にやくざです。
まあ、どこを開いてもいいんですが、適当にP19から引用してみましょう。
すると、ユダヤ組系パリサイ組のやくざがそれを目ざとく見つけて、イエスにアヤを付けてきたのである。
「おどりゃこの腐り外道が!そぎゃあなことして許される思うとるンかッ」
(中略)
だが、イエスは鋭い目でぎろりをやくざ者を睨み返すと、言葉短かに言った。「じゃかあしゃあ」
全編全ページがこの調子。
第8章に登場するマルチン・ルターももちろんやくざ。読者は自分がキリスト教史を学んでいるんのか、広島やくざ言葉を学んでいるのか、だんだん判らなくなってくることでありましょう。
ルターが皇帝の審問官から
「おう、ドサンピン。ここにあるんはおどれの書いたもんか」と聞かれ
「おお、わしのじゃ」と答えたり。
「カトリックの糞どもはのう、農民どもに和解提案なんぞせんでええけん、早うぶち殺したりゃええんじゃ」などとぬかしたり。
もうね、無茶苦茶でござりまする。発禁・焚書になる前に是非お手元に。