本の要約サイト flier(フライヤー)
私たちのサービスは、「読書体験を豊かにするディスカバリーサービス」と銘打っています。本のタイトル数が年々増えていく中で、良書に出会うことはますます難しくなっています。そんななかで、本の要約を読むことでその世界観を気軽に味わうことができれば、優れた書籍に出会いやすくなる、というサービスと位置づけているのです。
しかも闇雲に本を紹介するのではなく、キュレーターによって紹介する本を厳選し、雑誌のようなインターフェースで提供することによって、いままで本にあまり興味が湧かなかった人にも読みやすい内容になっています。
創業に至るストーリー
私たちはなぜ「本の要約サイト」を立ち上げたのか。まずはそこからお話ししたいと思います。
起業の報告をしたとき、たくさんの人から聞かれたのが「いつから考えていたの?」という質問です。創業メンバーの三名は経営コンサルタントだったので、「さぞ綿密に計画を練って、成功すると考えたから立ち上げたのだろう」と思われていたのでしょう。
でも実は、まったく準備もしていなければ、独立する予定もありませんでした。「偶然思いついたアイデアに、直観的に『これがやりたい!』と思ったから」というのが一番近い回答です。
創業メンバーがたまたま近い席に座って雑談していたとき、誰からともなく「書籍の要約・紹介をするサービスが世の中にあったらいいんじゃないか」という話で盛り上がりました。本は、品質はとても高いにもかかわらず、価格が高かったり量が多かったりして、インターネットなどのメディアに比べて敷居が高くなってしまっているのではないか。本の「試食」ができるようなサービスがあれば、もっと本が売れるしくみを作れるんじゃないか。それが私たちの仮説でした。
3人ともデスクがたくさんの本で埋まっているような、大の本好きだったので、議論は大いに白熱しました。それから3日間、業務時間後に会議室にこもって様々な可能性を議論し、アイデアを思いついて一週間後に3人そろって会社を辞める決意をしたのです。
けして、この事業が成功するだろうという確信が持てたから辞めたのではありません(いまもその確信は持てないままです)。ですが、「このアイデアを試してみたい!」という想いが日に日に強くなるなかで、仕事がだんだんと手に付かなくなってきてしまいました。コンサルタントという「他社のために尽くす」仕事に従事していながらこうした状態に陥ってしまうのは、プロフェッショナルとして失格。そう考えた私たちは、辞めるという決断をする以外に道はなかったのです。
創業からサービス開始まで
「出版業界を盛り上げたい!」「世の中の良い本をもっと多くの人に知ってもらいたい」、そんな想いだけが先行して独立起業してしまったので、事業立ち上げにかかるお金をどうするか、出版社とどのようなやり取りが必要なのか、という点は十分に考えきれていませんでした。そんな私たちがこうしてサービスを開始できたのも、本当に偶然が積み重なった上での出来事でした。
まず起業の資金についてですが、たまたま「カンブリア宮殿」というテレビ東京の番組を見ていたとき、現在私たちが出資をいただいている「MOVIDA JAPAN」という会社が取り上げられていました。MOVIDAは「アジアにシリコンバレーのようなベンチャー生態系をつくる」という志のもとで運営されているベンチャー支援の会社で、ちょうど第4期のスタートアップ企業を募集しているところでした。この志に感銘を受けた私たちは、このプログラムに応募し、採択されたのです。
MOVIDAでは様々な人の紹介やアドバイスがその場で得られ、ご協力いただいている出版社のなかには、MOVIDAから紹介してもらった会社もあります。また、シェアオフィスに入居して、他の起業家たちと切磋琢磨するなかでサービスを磨き上げることができました。日々の成果を持ち帰り、シェアオフィスの仲間で一緒に喜ぶことができたことは、本当に本当に大きかった。MOVIDAに飛び込まなければ、半年でここまで事業を大きくすることは出来なかったでしょう。
また、もう一つ特徴的なのは、出版社の方からご協力をいただいているということです。私たちのサービスは、「書籍の要約・紹介サービス」なので、出版社と2人3脚で進められなければ実現できません。出版社の方々は、どれほどの想いをこめてこの芸術品を世に送り出しているのか。それを考えながら、猛暑のなかでスーツにネクタイで出版社を回った日々は、私たちの事業の礎となっています。そして2013年10月10日ついにサービスが開始しました。
最後に
自分たちが「世界で一番ほしいサービス」を実現できた、これだけは自信があります。例えば私は、電車の待ち時間や電車の中でスマートフォンを使って要約を読む、という使い方がお気に入りです。今までニュースサイトで時間を潰していたのですが、それが豊かな知識の世界を味わう時間に変化しました。
優れた経営者は例外なく多読家であると聞きますし、是非多くの方に、flier(フライヤー)をお使いいただき、豊かな読書体験を味わっていただきたいと願っています。
現在、会員登録いただければ無料で20冊の要約コンテンツを読むことが可能です。是非この機会にご登録いただき、このサービスが面白いかどうか試していただければと思います。
気に入っていただければ、月々更新する書籍が、月額525円で月5冊まで、月額2,100円で読み放題というプランもご用意しています。また、法人プランのご用意もありますので、ご興味がございましたら、 support@flierinc.com までお問い合わせください。
株式会社フライヤー 代表取締役 大賀 康史
*「編集者の自腹ワンコイン広告」は各版元の編集者が自腹で500円を払って、自分が担当した本を紹介する「広告」コーナーです。HONZメールマガジンにて先行配信しています。