大型本とはA4サイズより大きな紙を使った本のことである。多くの場合、文章だけでは説明しずらい物事や、写真やイラストが主役の本だ。本棚に置いては見栄えがするので、本マニアとしては内容や表紙もさることながら、背表紙の美しさが気になってしまう。本体はコート紙にグラビア印刷、表紙はハードカバーがほとんどだから重い本が多い。それでも大型にしなければいけない理由があるからこその大型本の新刊を、今日から連続3冊紹介しよう。
本書は文字通りミツバチの飼い方マニュアルだ。勘の良い人であればこの本一冊で、明日から養蜂家になれるかもしれない。日本語版の冒頭と末尾には
(警告)この本は英国Haynes社から出版された「Bee Manual」の日本語翻訳版です。使用する道具や薬品は英国で使われているものですので、日本において同様の名称で流通しているとは限りません。以下略
などと、縷縷注意書きが記されている。真剣なのだ。170ページの本なのだが、1ページあたり平均6枚以上の写真やイラストが使われいる。たとえば巣箱の構造と組み立てで18ページに90枚ほどの写真とイラストが使われていて、器用な人であればこれを見ただけで、部品さえ調達できれば、いますぐ作ることが可能だろう。
第1章の「ミツバチについて」につづいて、「備品」「コロニーの管理」「蜂蜜の収穫」「越冬の準備」「有害生物を病気」「養蜂家の1年」の全7章。これに用語解説、索引、さらに詳しい読本、役に立つ連絡先が付いて3800円。これから養蜂をしてみようと思っている人にとっては間違いなく安いお買い物だろう。
これから養蜂をしてみようという人などいるかと笑う人もいるだろう。じつは2006年ころから養蜂の愛好家が増えてきている。プロの養蜂家と巣箱の設置場所や病気でトラブルも増えてきているらしい。そのため今年2月にはアマチュアの養蜂家でも登録が義務付けられるよう法改正が行われているほどなのだ。本書はそれゆえに真剣な出版物だったのだ。
本書には健康食品で有名なプロポリスの採り方も載っている。なんと巣箱の上にプラスチックの格子を置いておくだけだ。ミツバチはその隙間をプロポリスで一杯ににするのだという。プロポリスの抗菌効果を利用して巣箱を守っているのだ。
それにしてもミツバチは可愛いなあと思う。じつはゴキブリどころか蝶やカブトムシなど、ともかく手足が4本以上ある生き物が苦手だがミツバチは例外だ。逆に手足がないヘビは大丈夫。人間は自分の手足の数よりも多い動物か、少ない動物のどちらかに拒否反応を示すということを聞いたことがある。つまり昆虫派かヘビ派に分けられるのだという。