1000円の新書版の本だが、これはお買い得だ。美しい宇宙のカラー写真が100点ほど掲載されている。宇宙誕生、銀河系、太陽系、地球、銀河系の天体、地球外生命の6章で構成され、説明・写真ともに過不足ない。
株価バブル後最安値とか、呆れるばかりの馬鹿政治家たちとか、完成しない船舶プラモデルとか、最近は足元ばかりを見ている気がする。子供のころは宇宙の果てのさらにその先はどうなっているんだろうとか、宇宙ができる前の宇宙はどうなっていたんだろうとか、夜空を見ながら想像しては、文字通りクラクラしていたものだ。
本書89ページに2002年11月に観測された太陽プロミネンスの写真がある。比較のために地球がはめ込まれているが、豆粒のようである。163ページは超新星1987Aの20年後の写真だ。小柴博士はこの超新星からのニュートリノを検出したことでがノーベル賞を受賞した。20年後の超新星の姿はイヤリングのような姿になっている。
宇宙船でシリウス近くまで行ったときの景観や、銀河中心にある超巨大ブラックホール、ホットジュピターなどの想像図も楽しい。本書は通勤通学時よりも、どこかに旅行に行くときに持っていくと良いかもしれない。壮大な宇宙を勉強するのではなく、感じるようにして触れることができる本だ。