祝!!HONZ1周年
昨年7月15日にオープンしたHONZが、なんと1年持ちました。
それどころか読んでくださる方が増え、書き手のメンバーの気合も入りまくり。実は次に書く本をカレンダーに記入していくのが、常に2週間先まで満杯。
仕事が忙しくて書けないメンバーが代打を頼むと、すごい勢いで取り合いになっている状態だ。
ようやく出版業界や書店さんにも存在が認知されてきたようでうれしい限り。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
今日の欠席は3人。
本当に忙しそうで体が心配な山本尚毅と、朝会のために本を買いだめしただろうに無念の欠席の鈴木葉月。就活は終わってもレポート提出に苦しめられている一色麻衣。彼らのオススメは後回しにして。
最初はテーブルの角に座っていた足立真穂。編集の仕事が忙しいのにマラソンまでするタフさである。
小説好きなら「おーっ!」とか「すごい!」と思わず声が出そうなのに、みんな沈黙、無言。足立は拍子抜けしてポカン。ふと気が付いて「みんな、この作家、知ってる?」と尋ねると「ぜーんぜん知りません」との答え。いや、小説読まないのは知っているけど、みんな超有名なミステリー作家なんだけどなあ。
日本周辺の絶海の孤島を尋ねる旅行記。絶海の孤島なのに出会いや事件があってなかなか面白い、らしい。
自信満々だった『推理作家の家』が惨敗なので、当然この本も反応が薄い。このあたりHONZならでは、ということか。最近亡くなったSF界の大御所だ、とメンバーには説明しておこう。
すっきりした顔でやってきた栗下直也。昨夜は飲まなかったのかな?
今年の洋服はチェックが流行っている。麻木が「ワタシ、ベイシティローラーズのファンだったから大好き」と叫んだが、イマイチ伝わらなかった模様。ジェネレーションギャップ… それにこの本、古いよ…
夫婦仲の経済学 皿洗いからセックスライフまで、妻と夫の不満は経済理論で解決
- 作者: ポーラ・シューマン、ジェニー・アンダーソン、永井 二菜
- 出版社: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2012/4/19
最近子供が生まれた栗下なので、みんなが恐る恐る「経済的に問題あるの?」と聞いたがそういうわけではないみたい。お金の問題だけでないメンタルな部分も含まれているようだ。
奇人として有名な棋士、加藤一二三。しかし彼から見た名人たちはもっと変わっていたらしい。将棋を指す人なら必読の面白本。
先月から様々な仕事が絡まりあってニッチモサッチモどうにもブルドック(古い!)状態の東えりか
日本人の多くの心にヤンキー的な文化が潜んでいると喝破したは故・ナンシー関。精神科医の著者がそのテイストを読み解く。
書下ろし時代小説の大人気作家が、熱海の仕事場の隣にある岩波書店創始者の元別荘を譲り受け修復するまでのドキュメント。
プラハ冗談党レポート: 法の枠内における穏健なる進歩の党の政治的・社会的歴史
- 作者: ヤロスラフ ハシェク、Jaroslav Ha〓sek、栗栖 継
- 出版社: トランスビュー
- 発売日: 2012/6/5
1911年、ボヘミア国プラハの帝国議会に新党が登場した。ここからユーモア小説で有名なハシェクが立候補。自らの選挙戦を笑い飛ばすレポート。
今日は大阪の研究室からスカイプで参加の仲野徹。風邪気味なのか、ときどきものすごい咳が聞こえるので心配。
熊本市で達成された処分犬ほぼゼロまでの軌跡。役人だってやればできるんじゃない、という格好の例。
数学でわかるオリンピック100の謎 ウサイン・ボルトはどうすればこれ以上がんばらなくても世界記録を更新できるか
- 作者: ジョン・D・バロウ、松浦俊輔、小野木明恵
- 出版社: 青土社
- 発売日: 2012/6/21
オリンピックでメダルを取るためにはどうしたらいいかを数学的に考察したもの。
明治時代に活躍し、大人気を博したマジシャンの評伝。ワタシも気になっていたんだなあ。
土屋敦のレビュー『ナチスのキッチン』は驚くべき回覧率であった。本の人気より料理を食べたいという人のほうが多かったのはよかったのか悪かったのか。
音楽の殿様・徳川頼貞 〔1500億円の〈ノーブレス・オブリージュ〉〕
- 作者: 村上紀史郎
- 出版社: 藤原書店
- 発売日: 2012/6/25
徳川紀州家16代当主は大のクラシック音楽好きで、1500億円も招へいなどにつぎ込んだそうだ。文化にはパトロンが必要だよね。
PCが手放せないこのごろ、充電池や電池の替えも持ち歩かなければならない。日本のお家芸の電池は大丈夫なのか?
隣同士の国でも気質が全く違うから血で血を洗うような抗争が起きる。日本の県民だって気質は違うんだから当然か。
株主総会やら娘さんの結婚式やら、グァムでゴルフやら多忙この上ない成毛眞。
これは栗下にあげる、といいつつ魅力的な風俗本。風俗といってもばっちりアッチ方面のことだけだそうだ。
ありがちなタイトルだけど、第二次世界大戦はオペラや歌舞伎を好む民族と、芸術がわからない民族とに分かれた戦争だった、などと魅力的なことが書かれてあるらしい。
古代ローマについて書かれた本ではなく、ルネサンス期に流行った古代ローマの古銭ブームについて。4000円以上の本は考えちゃうなあ。
HONZで得た知識をクイズ番組などに生かしているという麻木久仁子。
理科系離れが問題視されているが、本当は社会科離れのほうが問題ではないか、という麻木。自分が置かれている立場や権利にもう少し敏感になるための一冊。
日本海の漁場の現状や深刻化する水産業をきちんと考察した本で、一般に言われていることとはだいぶ違うらしい。
「ああっ…」という声は高村和久。これに賭けていたらしいのに先をされた。台湾で大ベストセラーになっている。
著者は中国本土からわたってきた外省人。膨大なインタビューを積み上げた力作。
HONZだけでなく「仮設住宅を彩るボランティア」などアクティブな新井文月。
最高に気持ちいい住まいのリノベーション図鑑 (エクスナレッジムック)
- 作者: 大島芳彦、佐々木龍郎、嶋田洋平、新堀学、田島則行、馬場正尊
- 出版社: エクスナレッジ
- 発売日: 2012/6/30
住宅を改築するさいの参考にするためだそうだが、なにしろ行動が早く近くの家を物色している模様。
異端が世界を変える、というとわりとありきたりな気がするが、著者のプロフィールがものすごい。それだけで読みたくなる。
子どもに見せるために科学の基本で喜ばせるさまざまな方法。
格闘技本といえば村上浩で、みんな手を出さなくなっちゃった。
ダチョウの卵で、人類を救います! : アトピー、新型インフルエンザ、HIVも撃墜する夢の抗体発見秘
- 作者: 塚本 康浩
- 出版社: 小学館
- 発売日: 2012/6/26
ご存じダチョウ力の塚本先生の新刊。土屋編集長、渾身のインタビューはこちら。
ブラジルの不毛の大地「セラード」開発の奇跡 (地球選書 5)
- 作者: 本郷 豊、細野 昭雄
- 出版社: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/6/29
この場所の開発は、日本が大きく関与しているのだそうだ。ニクソンの大豆ショックという事件も全く知らなかった。
デスペラトロールという回路を開けると120歳まで生きるらしい。長生きモノもHONZメンバーの好みである。
「今日は疲れてるんです…」と低いテンションだったのに、本の話が始まると途端にハイテンションに早変わりの内藤順。
土器づくりからみた3つのアジア‐エジプト・台湾・バングラデシュ‐ (創成社新書)
- 作者: 齋藤 正憲
- 出版社: 創成社
- 発売日: 2012/6/20
収穫する作物が小麦と米では土器の形態も違う。土器から見た比較文化、なのかな?
共感覚という神秘的な世界-言葉に色を見る人、音楽に虹を見る人
- 作者: モリーン シーバーグ、Maureen Seaberg、和田 美樹
- 出版社: エクスナレッジ
- 発売日: 2012/6/30
最近流行りの「共感覚」。この不思議な能力を量子力学で解き明かそうという試みらしい。
18世紀、太陽の上を渡る金星の観察記録を世界中から募った学者はハレー。「ハレーすい星」を見つけた人。
いよいよ帰国日も決まり、朝会に参加できるのも近い久保洋介
上野千鶴子ゼミ出身のセックスに関する研究をしている著者の成果。尋常じゃないのは研究に対する飽くなき意欲かも。
商社がこぞって契約している政治学者、イアン・ブレマーの新刊。ワタシは初めて聞く名前でした。
彼らの美学から文化まで
仕事がつまり直前まで参加が危ぶまれた高村和久。
誘拐や企業恐喝などで間に入って話をまとめるハードなネゴシエーターのノンフィクション。
中国領のチベットから逃げるため、大人でも過酷な旅を選ぶ子供たちの話。
この手の本は高村の得意分野。メンバーから「素人でもわかる?」とか「基礎中の基礎?」など確認の言葉が飛び交う。いつも栗下が「読んだら内容を教えてね」というのもお約束(笑)
さて欠席者の分は書名だけ。
山本尚毅
やっぱり山本の興味は資源とアジア。
鈴木葉月は本人のコメントとともに
夏も近いので。
やっぱり2位じゃダメなんでしょうか?
『香料植物』は法政大学出版会で出している文化シリーズ。香料といっても日本国内に限っている。いいシリーズなんだけど高いんだよなあ。
さてここで1周目は終わり。実は結構カブっている本が多いし、先月紹介したものを忘れている例が多々。人によっては誰かがレビューを書いていても紹介しようとする。
すると多くのメンバーがここぞとばかりに「もう終わってるよん」と突っ込みまくるので、しょんぼりと肩を落としてしまう。
意気込んで持ってきても肩すかしになったり、意外な本が大うけしたり。
今回2周目のおまけは、鈴木が不在のため少な目だが数日後にはUPします。
2年目を迎えたHONZを今後ともご贔屓に、隅からすみまでずず、ずいーっと、御願い奉りまするぅ~(チョーン)