朝の定例会は第一水曜の朝7時から、と決まっている。しかし今回、HONZ始まって以来、その原則を覆す日が来た!なぜなら、強力ゲストを迎えたからだ。
大阪大学大学院生命機能研究科病因解析学研究室教授・仲野徹先生である。
ツイッターなどで、HONZ被害者の会の結成を呼びかけたため、成毛代表、土屋編集長がカチコミをかけたことで有名である。インタビューはこちら。その1その2
東京出張があると聞きつけ、では一度参加願おうということで一日ずらし、本日の開催となった。
もう一人のゲストは新潮社のノンフィクション担当編集者、足立真穂さん。養老孟司さんや内田樹さんを手のひらで転がし、話題のこれも担当している。
イレギュラーだったためか残念ながら欠席者が4人。
しかし欠席しても、オススメの本だけは絶対に忘れない、とそれぞれの本を上げる。
イギリス出張中の村上浩
さすがに仲野先生がもう読了されていた。大航海時代などに発見された種々について。
これは高村とカブっていた。自己免疫疾患と化学物質との関連を読み解く。
面白そうなんだけど、約4000円は手が出ない。山本尚毅も注目していたようだ。しかし「タイの中小企業」ってニッチな本、どれだけ興味をもたれるのだろう?
こちらはミャンマー出張中の山本尚毅
私も注目している医学書院の新刊。
文化庁メディア芸術祭がはじまって15年を振り返ってみる。
ネットにどれくらい依存しているかを自ら問いただす。
本職の新聞記者で夜討ち朝駆け取材中の栗下直也
多くの日本人サッカー選手が移籍する現在、どういうシステムで動いているのか。内藤順も用意していた。
アメリカンドリームを体現した女性の物語。
正に栗下の独壇場!と思いきや、ここでイエローカード。
まさに持ちネタっぽいこの本、実は2010年2月の本でした。HONZで取り上げる本は、最低でも半年前ぐらいまで。でも、この本、面白そうだね。
ほほほ、見誤ったな。
時期はずれのインフルエンザか、発熱で欠席の土屋敦
メキシコの「骸骨姿の聖母像」を信仰する秘教。
個性的な「本棚」を集めたデザイン集。ま、ワタシの場合、どんな本棚でもぎゅうぎゅうになってしまうけど。
職人もの大好きな土屋らしい選書。
ではここからが本番
トップバッターはゲストに譲ります。大阪から大量の本を携えて上京された仲野徹先生。
「うわあ~」と声がするので見てみれば、スカイプの向こう側、オーストラリアの久保洋介が頭を抱えて悶絶している。どうやらイチオシだった模様。とはいうワタシも持参の一冊。
あまり知られていないが、熱帯での蚊が媒介する病気で大変な功績を残した学者。
1991年に出た本がやっと翻訳されたとのこと。理論物理学者の著者が、現地の研究状況を危惧して書いた本。訳者は有名なと学会員。最近3000円以上の本を紹介すると「ブルジョア」という声がかかる(笑)
アニメーターの久里洋二さんがツイッターで呟いた言葉をまとめたもの。パラパラ漫画にみんな食いつく。
去年、万里の長城マラソンに参加したたったひとりの編集者、足立真穂さん
『世界屠畜紀行』の著者が、殺している場面だけでは飽き足らず、子供の頃から飼って喰ってみようと実験した本。
プロが撮った東日本大震災。昔の写真も挿入しその姿を思い起こす。
国王夫妻に憧れて、幸せの国と信じているけど本当?ブータン国内で国王側近として働いた著者が語る真実。
初めてiPadでスカイプをしてみて感動している内藤順
琵琶湖の湖底にはいくつもの村が沈んでいる。それは地震による影響である、という研究書。ワタシも気になっていたのだが、アマゾンでずっと品切れなのだった。
フィリピンで金を手に入れるには格闘技が手っ取り早い。ということで、スラムなどの作られたボクシングジムなどを取材したもの。4410円の値段をどう見るか?
大学生メンバーにガリ版を知っているか?と尋ねると、ハトが豆鉄砲くったような(これも死語か?)顔をしている。当然、どんなものかも知らない。麻木久仁子が「ほら、プリントゴッコみたいなものよ!」と説明しても、もうそれすら知らなかった。
そんな麻木久仁子だが、新刊は好調のようだ。
戦闘場面が全く出てこない戦争物。お金の無い日本の財務官は当時ロンドンでどうやって工面したのか?
中世の武士団研究者の一冊。大河ドラマのサブテキストに。
日本人が発見した「うま味」そういえば味の素って?とひとしきり話は盛り上がる。
仕事部屋の足元がホーダー化して、ちょっと怯えている私、東えりか
今も続いている朝日新聞の連載。あの大震災のとき、同時刻で何がどうなっていたかの記録。マスコミの定点観測として読んで行こうと思っている。
大学生どころか、多くのHONZメンバーもほとんど知らない連合赤軍事件。私はずっと興味を持って読み続けている。あれから40年。服役を終えて生活している彼らは何を考えるのか。
既に仲野先生は読了。幻視の研究はかなり進んでいるが、幻聴や空耳の科学はまだ未開なのだそうだ。
オーストラリアは毎日38度を越す暑さだという久保洋介
これもブルジョアの1冊で、オーストラリアだと送料込みで、ありゃりゃの金額らしい。現地のワインを飲みまくっているそうだ。
ご存知、野口武彦先生の薀蓄本。幕末の志士たちのアホな姿を暴いた一冊。
恐れ多くも仲野先生に向かって、細胞シートとは何かを説明させられる久保。一応合格点はもらっていた。
先月から、3月の例会は変更しているよ、と何度となく確認しているのに、昨日の朝も六本木に来てしまった高村和久。
中国の事情ではふるまいよしこさんほど楽しく紹介してくれる人はいないだろう。現代中国を代表する著名人18人へのインタビュー集。
書影が出ないのが残念。道具大好きHONZとしては逃せない一冊。高機能炊飯ジャーの仕組みなんて、もう、わくわくする。
これ一冊で地球のもろもろがわかる本。
明日のレビューは高村の当番なのだが、ビックリのレビューになっているので請うご期待!
最近、茶パツになっておしゃれに気を使いはじめた鈴木葉月。今日も大切なプレゼンだと珍しくスーツ姿。
成毛に習い、将来を見越す知識が欲しい、のだそうだ。
編集長土屋の奥さんのお師匠さんである志村ふくみさん。今まで織った布への思い。美しい布を見ると、なぜかほっとする。
大人がいまさら聞けないことは、こういう本を活用しよう。実はきちんと知らないことが多いと思う。
仲野先生とすっかり意気投合してしまった成毛眞
体中どこにでもある絨毛の形について。リアル『パラサイトイブ』?
原題はフィルターバブル。ネットを使う人が毎日見るグーグル。これには人それぞれに制限がかけられているという。初めて知る事実に驚愕。
鹿島建設の技師だった著者が、古代ローマの建築を調べているうちに病が高じて本を書き始めたのだという。
少し遅刻してきた新井文月。
「芸術と教育こそが平和を支えるのだ」という熱き思いに幻冬舎社長、見城徹氏がこたえて本書となったそうだ。
あくまで使うために便利な世界の日用品を集めた一冊。知らずに手に取ったのだがそうだが、著者は新井自身の先輩だった。
モダニズム建築の大切さを訴える「ドコモモ」という団体のパロディだそうな。「ドコノモン」って開き直った建築書。説明書きに「持ちやすいA5判」って、建築家はいつもどんな本を持って歩いているのか?
とりあえず、ゲストとメインメンバーのそれぞれ3冊ずつを紹介した。その2は学生メンバーやおまけの本をあわせてまた後日。今回はカブり本が少なかったので、まだまだ隠し玉がいっぱいあるぞ。刮目してその2を待て!