『体脂肪計 タニタの社員食堂』が大ヒットしたのは、記憶に新しい。その二匹目のどじょうを狙ったわけでもないのだろうが、企業発信のレシピ集が相次いで発売されている。
永谷園のお茶漬け、キッコーマンの豆乳、タカノフーズの納豆、いずれもロングセラー商品の一点突破だ。商品そのままの装丁で、本の寸法も該当商品にほど近い。そのため、本屋の同じ棚で面陳にでもされた日にはコンビニの一角にいるような気分になる。
今年で発売60周年を迎える永谷園の「お茶漬け海苔」を活用したレシピ集。「春雨茶漬け」、「かつおの角煮茶漬け」など、いわゆるアレンジ茶漬けの部類も面白いのだが、「飴がけフレンチトースト」、「キャラメルクッキー」などデザートとしての利用方法が目を引く。
紀文ブランドの豆乳は1979年の発売開始。こちらも順当に「社員のオススメ豆乳ドリンク BEST10」などから紹介が始まる。ちなみに1位は「ミックスベリー&ソイスムージー」。「サムゲタン風美人スープ」や「タイ風カレースープ」などのアジア系レシピが、意外性ありか。
最後は今年で創業80周年、タカノフーズの納豆レシピ。こちらは「とろろなめたけ納豆ごはん」、「アボガドチーズ納豆ごはん」など定番の納豆ごはん+αが充実している。水戸出身の僕としては梅納豆ごはんを一押しにしたいところ。ちなみに納豆のタレは、20回程度かき混ぜた後に投入すると、フワフワに仕上がるそうだ。
豆乳レシピ、納豆レシピについては、それぞれの企業の社員によって考案されたレシピとのことで、社内報のような雰囲気も醸し出している。企業のナレッジ共有や、企業PRの新しい形としても注目したい3冊だ。