『電卓のデザイン』 新刊ちょい読み

2012年1月29日 印刷向け表示
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電卓のデザイン DESIGN OF ELECTRONIC CALCULATORS

作者:大崎眞一郎
出版社:太田出版
発売日:2012-01-26
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世界で初めて電卓が登場したのが1962年。各桁ごとに1から9のボタンが並んだフルキーボード方式で、重さは14Kgほどあったそうだ。それから50年。最近ではすっかり姿を見ることも少なくなってしまったが、その歴史には驚くべきほどの技術革新があったという。

本書はそんな電卓の50年を、写真で振り返る一冊。著者は電卓の蒐集家。これまでに国内外あわせて1000以上の電卓を集めてきたそうだ。ちなみにその大部分は、著者のサイト「電卓博物館」でも見ることができる。

一口に電卓と言っても、その種類は多岐にわたる。本書では、モダンデザイン電卓、ヴィンテージ・デスクトップ電卓、ヴィンテージ・ポケット電卓、ヴィンテージ・複合電卓、おもしろ電卓の5つのカテゴリーに分けて紹介されている。

日本の電卓史に燦然と輝くのは、1972年に発売されたカシオミニ。3万円程度が平均的な価格であった時代に12,800円という常識破りな低価格を打ち出し、いわゆるポケット電卓の定番商品となったそうだ。

そのほか、複合電卓のカテゴリーでも、ゲーム付き、音声読み上げ、ラジオ付きなどの機能が1980年代の段階で登場しており、まるでスマホの祖先を見ているようでもある。

今や、すっかりスマホやPCの一機能として取り込まれ、偏在化してしまった電卓。ひょっとしたら現在の姿こそが衰退ではなく、進化の最終形ということなのかもしれない。

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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『決定版-HONZが選んだノンフィクション』発売されました!