宴会開始
海底温泉でウミガメやサメを堪能していたらあっという間に18時になった。さぁ、宴会の時間だ! 一同、宴会場「金波」に集合する。舞台、金屏風、スタンドマイクと会場は整った。皆、浴衣に着替えたかーい?
「昭和の社員旅行」というコンセプトの通り、形式をきちんと守ろう。まず、代表を舞台に誘い、乾杯の挨拶をいただく。成毛眞も「普段はこんなことやらないんだけど」と言いながら、ノリノリである。
成毛代表挨拶。「ほんのちょっとした出来心でHONZを始めて13年、ノンフィクションの書評は社会的なパワーを持ちました。少しは社会を変えたかなという印象です。さぁ、今日限りで、HONZのことはさっぱり忘れて、明日から頑張りましょう!乾杯!」かんぱーい!!
私は今回の幹事を担当したご褒美として、HONZパーカーをプレゼントいただいた。本当にありがとうございます! 商品化を希望します!
マイクをバトンにして、皆の近況報告会が始まった。 栗下直也はつぶれるタイミングを逃したのか、シラフのままどうして良いのか分からず、しどろもどろだ。サイエンス・ノンフィクションにおいては日本一の翻訳者・青木薫の話は皆興味津々で、何かを話してくれたのだが、笑い方が豪快過ぎて内容がまったく頭に入らなかった…。麻木久仁子は、仲野徹の長年にわたるイジりに対する仕返しで場を沸かす。足立真穂はHONZに参加した初日に、学生メンバーの一人がクビになり、戦々恐々した話。鰐部祥平はビジネスHONZ立ち上げメンバーだが、入った時にはビジネスHONZ構想がなくなっていた話をしてくれた。最初から最後までいい加減な団体である。
泊まり宴会は別府のAPU訪問以来で、懐かしい顔ぶれの数々が本当に楽しい。HONZは成毛眞と東えりかが出会って始まった。そして今回は峠恵子の参加により、サンハトヤでの合宿が決定。本がつなげてくれた数奇なご縁にひたすら感謝である。
HONZ13年間で実感したこと
宴会の場で皆で再確認したのは、成毛眞の人を見る目の確かさである。HONZは「本のキュレーター」として始まり、学生メンバー募集、ビジネスHONZの立ち上げ、内藤編集長による一本釣りなどを通じて、随時新しい人が参加したからこそ、流動的で自由な風土のもと成長ができた。でも一番の肝は、最初の立ち上げメンバーがオープンでノリも良かったことだろう。その土台があったからこそ、後のメンバーも気兼ねなく参加できたのである。書評を通じて人の本質を見抜く、成毛の確かな眼差しがHONZの礎になっている。
さらに、皆で共感したことは、HONZというプラットフォームの威力についてである。個人の力では絶対に届かないところまで書評を届けることができた。個人ブログに書いても、読まれるPVは限られる。仲野徹が「HONZで書評を書けば、1ヶ月にAmazonアフェリエイトで5万円が入ってきたけれど、今は52円です」と語るとおり、HONZはメンバーの想像を超えて影響力を持っていった。今では、ノンフィクション初心者にとって読書の指針となり、知識を深めたい人はジャンル検索ができ、業界人にとっては直近3ヶ月でどんな本が市場に出ていて何が売れているのか、マーケティングの場となっていた。
一方、レビュアーは「この本が面白かったことを伝えたい」という気楽さを一番大切にしていた。載せた原稿は誰にも手を加えられないし文句も言われない。無理せず責任感もなくただ楽しいから、13年間もやってこれた。ただ楽しく書いていたら、気付けば大きなプラットフォームになっていた。
久しぶりの顔ぶれに顔を綻ばせて、成毛眞がいきなり立ち上がった。「皆さん、この宴会は毎年やりましょう! 刀根、幹事よろしく!」えーーー!! さっきの挨拶で「HONZのことはさっぱり忘れて」と言っていたのに! ということで、HONZは書評メディアあらため、宴会メディアとして、今後も活動を続けていくこととなりました。笑
2次会、3次会へ
2次会はカラオケルームへ移動。プロの歌い手である峠恵子のカーペンターズを楽しみながら、自然と本の話へ移っていく。本の紹介とカーペンターズというサイクル。なんだかラジオのようだが、現場は大盛り上がり。内藤のMC、久保と足立の盛り上げ隊のダンスという、昭和のノリを愚直に遂行しながらも、青木薫は量子力学を語り、峠恵子は「ウィスキーが、お好きでしょ」を歌い返す。まるで時空の歪んだサンハトヤ。HONZはいつもこうだった。自分がどこにいるのか分からなくなる感覚。知的な会話とくだらないノリで、朝夜かまわずいつも漂っている気分だ。
3次会は、代表の部屋で部屋飲み。峠恵子がわざわざ持参してくれたネクタイを頭に巻いて、昭和の夜は更けていく。成毛は2次会の途中から記憶がないらしいが、3次会では永遠にメンバーを褒めていた。特に鰐部祥平は文章力を褒め称えられていたが、褒められすぎて崖っぷちにも立たされている。次回の合宿までに小説を書き始めないと、永遠に言われ続けるぞー!
3次会は深夜2時半にお開きを迎えた。代表の部屋で深夜まで騒ぐなんて……。私はある意味カルチャーショックであったが、翌朝は皆、元気に朝ごはん会場へ顔を見せた。怪我人・病人がいなくて一安心。
さて書評メディア改め、ただの宴会メディアとしてHONZは今後もゆるゆると活動していきそうだ。これからもHONZをよろしくお願いいたします!
HONZ卒業旅行&忘年会 in 伊豆 本の紹介編へ続く