先月出た本 2023年4月

2023年5月5日 印刷向け表示
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4月は西加奈子さんの『くもをさがす』が発売され、大きな話題となっています。滞在先のカナダで宣告された乳がん、その発覚から治療を終えるまでの8ヶ月間を克明に描いたノンフィクションは、ガン罹患というニュースと、コロナ禍中、そして海外での闘病という衝撃もあり大きく報じられました。発売前重版、累計20万部突破と大きな話題が続いています。

作者:西 加奈子
出版社: 河出書房新社
発売日:2023/4/18
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その他にも気になる作品がいくつも発売されています。その中からをいくつかをご紹介。

作者:アレクシス・ウィレット
出版社:白揚社
発売日:2023/4/5
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○○は身体に良い、悪いという「食」にまつわる健康本、検証本は数多くありますが、飲み物に特化したものはあまり印象になりません。一方で、コンビニやスーパーで目にする飲料には様々な効果が謳われています。ワインは身体に良いからとそれを理由にがぶ飲みし、翌日酷い二日酔いになったり、自分にあう乳酸菌とやらを求めて様々な乳酸菌飲料を飲んだり…という割にはそのエビデンスはそれほど話題になりません。身近で毎日口にして、そして常習性も高い“飲み物”を科学します。

作者:カール・エリック・フィッシャー
出版社:みすず書房
発売日: 2023/4/12
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飲み物、といえば依存症の事も忘れてはなりません。著者は精神科医だそうですが、なんとアルコール依存症の経歴をもつようです。自身の体験、そして過去の人物の多くのエピソードや科学・歴史の知識から依存症と人類の繋がりを浮かび上がらせる1冊。酒や薬物の耽溺はある時代には「堕落」そして、ある時代には「下級階層の流行病」そして「犯罪」、と様々な姿を見せます。

果たして依存症は「病気」なのか。人類がこれまで行ってきた依存症対策史から共存の可能性を探ります。

冷戦時代に、敵同士だったポーランドと米国が同盟関係になる、というのは過去から考えてみたら「ありそうにない」話でした。この同盟がいつから画策され、どうやって成し遂げられたかを機密解除文書、政治家、そしてスパイ本人へのインタビューで綴っていきます。

昨今注目度をあげているNATOについて考えるためにも必要な1冊。

作者:岡根谷実里
出版社: 大和書房
発売日: 2023/4/15
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5月の連休もそうですが、夏休みに向けても海外旅行を検討する人が急増。書店店頭でも、旅行ガイドブックの売上げが急増中です。世界に目を向ける人が増えてくる中で、単なる旅行ガイドでなく、世界の文化に目を向けるための本にも注目が集まっています。この著者は「世界の台所探検家」だそう。世界各地の台所で一緒に料理をすることで、暮らしや社会を見ているそう。台所に立ってみると、地球環境や生産問題、政治や宗教まで様々な事が見えてきます。料理本としても楽しめそう。

作者:五十嵐大
出版社:柏書房
発売日: 2023/4/27
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旧優生保護法のあった時代は、障害者が産まれる事を防止するために、子どもを持つことがコントロールされていました。そんな時代に子どもを産み、育てるということはどういうことだったのか。聴こえない親を持つ、聴こえる子どもとして産まれた著者が、自らの母の歴史を聞き、綴ったノンフィクション。

今、手話を習う人が増えているようです。手話のテキストなども非常に注目を集めていますが、こういう時代があったこと、様々な思いを持って生きている人がいることもあわせて知っていきたいですね。

久しぶりに何ら制限のない大型連休を迎えました。行楽地も賑わっていますが、ちょっと疲れたらゆったり読書というのはどうですか?これから先の激動の時代を読み解く面白本が揃っています!

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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『決定版-HONZが選んだノンフィクション』発売されました!