元首相の銃撃・殺害という痛ましい事件が起きました。これも伴い、カルト関係の書籍への注目度が高まっています。ウクライナ、そしてそれを取り巻く世界の混乱は続き、コロナ感染者数も急激な拡大。久しぶりの緊急事態宣言下にない夏はどんな夏になるのでしょう。
2022年7月18日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
佐々木朗希投手の完全試合は4月10日の事。その後も、快進撃が続きましたが、ここにきてようやく完全試合を受けた書籍が発売されてきました。
ノンフィクションでは『甲子園と令和の怪物』が注目株です。こちらは以前発売された『投げない怪物 佐々木朗希と高校野球の新時代』に新証言を加えたもの。改めて注目を集めた、登板回避について、そして佐々木朗希の登板回避が与えた影響について考えた作品です。夏の甲子園大会前に読んでおきたい1冊でしょう。
出版社 | 商品名 | 著者名 | 本体 価格 | 発売予定 年月日 |
KADOKAWA | 『地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記』 | ホモサピ | 1,300 | 20220727 |
毎日新聞出版 | 『創価学会 | 田原 総一朗 | 900 | 20220729 |
飛鳥新社 | 『月刊Hanadaセレクション 安倍晋三元総理 追悼大特集号』 | 月刊Hanada編集部 | 1,091 | 20220803 |
新潮社 | 『年寄りは本気だ』 | 養老 孟司 | 1,550 | 20220727 |
PHP研究所 | 『天皇の国史[上]』 | 竹田 恒泰 | 880 | 20220803 |
PHP研究所 | 『歴史から読み解く日本人論』 | 井沢 元彦 | 780 | 20220803 |
小学館 | 『甲子園と令和の怪物』 | 柳川 悠二 | 860 | 20220801 |
KADOKAWA | 『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」』 | 豊島 晋作 | 1,500 | 20220802 |
幻冬舎 | 『誤解だらけの徳川家康』 | 渡邊 大門 | 1,060 | 20220727 |
双葉社 | 『生きるために闘う』 | アントニオ猪木 | 1,600 | 20220727 |
では、これから出る本リストから注目作品を紹介していきます。
以前HONZでもレビューされた『科学は「ツキ」を証明できるか――「ホットハンド」をめぐる大論争』もそうですが、運や偶然を研究するサイエンス本が最近また注目を集めています。
運に頼るというと、あまり良い印象を持てないところもあるかもしれませんが、実は「運が良い」と思うことで、脳にいい力が与えられるそうです。運とは何なのか、なぜ運をしんじるのか、そしてどうしたら運は高まるのか。こういった疑問に最新理論から迫ります。
AIと人類の未来について考える本はあまたと出版されており、読者は若干食傷気味かもしれません。ただ、この本は著者名を見て素通りは出来ませんでした。元・米国国務長官のヘンリー・キッシンジャー。元・Google CEOのエリック・シュミット。そしてコンピュータサイエンス研究の第一人者、ダニエル・フッテンロッハー。この豪華な三人が、人類とAIを語り、未来を予測しています。
ナショナル ジオグラフィックの人気シリーズの新刊は、過去人々が熱狂した、そして今ではもうありえないスポーツや競技をあつめたもの。
残酷なものや危険なもの、あまりにバカバカしいものなど、今の時代には残っていないそういった競技を当時の文献から蘇らせます。もしかしたら、VRやARの技術を使ったらもう一度面白く遊べるものもあるの…かも。
例年、7月・8月は戦争関連書の出版が多くなりますが、今年はウクライナ侵攻もありより点数が多くなっているようです。これまで、数々のスクープ写真を撮ってきた報道カメラマンの宮嶋茂樹さん。不肖・宮島として多くのファンをもつカメラマンです。戦地も多く経験した不肖・宮嶋も還暦。最後の戦場取材へ、と銘打たれた記事は連載時から多くの注目を集めました。カメラが捉えたウクライナの実態とは。
また、8月刊行の翻訳物では『サイバー戦争 終末のシナリオ』にも注目しておきたいところ。21年の米国の各種ビジネスブックアワードを受賞した注目作品です。世界中に張り巡らされたサイバー環境の罠。そして、狙われ続けるインフラ。見えない軍拡の実態を取材した迫真のルポです。
夏といえば、怪談&ホラーの季節です。神話学者の沖田先生が『怖い女』に続き、”家”に注目した『怖い家』を刊行します。怪談やホラーでは色々な家が舞台になりますが、神話学から読み解くとどう読めてくるのでしょう。
著者の新刊としては8月中には、岩波ジュニア新書で『世界の神話 躍動する女神たち』も発売になります。こちらは、世界各地に伝わる神話から女神を紹介した作品。ジュニア新書なのでお子さんと一緒に読めます!
オウム真理教の事件後は、多くのカルトに関する本が出版されていました。今は手に入りづらくなっている本も多くありますが、マインドコントロールに関する本や宗教二世についての本は名著の復刊や新刊の刊行が続きそうです。自分の頭で考え、惑わないためにも多くの本に触れてみてください。