またもコロナの波が大きくなってきました。昨年の春のような状態になるのか戦々恐々とするなか、新刊は着々と発売されていきます。
今月もノンフィクションの予約ランキングから見ていきます。2021年4月21日時点の予約受注実績から5月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
5月の注目は藤井聡太関連のノンフィクション。ランキング上位に入ってきている『藤井聡太の軌跡』に加え、5月下旬には谷川浩司九段が『中学生棋士』に続き、若き天才を描いた『藤井聡太論 将棋の未来』も発売されます。将棋ファン、藤井ファンにはたまらない月になりそうです。
出版社 | 商品名 | 著者名 | 発売予定年月日 |
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PHP研究所 |
『デジタルトランスフォーメーション(DX) |
冨山 和彦 | 20210721 |
朝日新聞出版 | 『定年後の居場所』 | 楠木 新 | 20210513 |
KADOKAWA | 『戦いの音楽史 逆境を越え 世界を制した 20世紀ポップスの物語』 |
みの | 20210501 |
扶桑社 | 『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論3』 | 小林 よしのり | 20210519 |
講談社 | 『円周率πの世界』 | 柳谷 晃 | 20210617 |
講談社 | 『中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平』 | 天児 慧 | 20210513 |
SBクリエイティブ | 『日本人が知らない世界の黒幕』 | 馬渕 睦夫 | 20210506 |
ビジネス社 | 『知らなかったでは済まされない中国の「罪と罰」(仮)』 | 井沢 元彦 | 20210621 |
文藝春秋 | 『偉い人ほどすぐ逃げる』 | 武田 砂鉄 | 20210527 |
マイナビ出版 | 『藤井聡太の軌跡~ 400年に1人の天才はいかにして生まれたか~』 |
鈴木 宏彦 | 20210524 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。
ヒッピーとはなんだったのか、どういう人たちだったのか。ヒッピーの始まりや文化を読み解く本は数多く出版されていますが、今回の著者はヒッピーコミュニティーの始まりのタイミングで、フラワー・チルドレンに混じって観察を続けた女性人類学者。伝聞ではなく、まさに新鮮な記録そのものが描かれたノンフィクションとなっていそうです。
最近、資本論で話題になった「人新世」。これは「人類の時代」という意味を持つ、新しい時代の事です。人類が地球の生態系や気候に重大な影響を及ぼすようになった時代のことを言い、今は様々な角度からこの時代についての研究がなされています。
このFOOTPRINTはまさにそういった人類が残すことになる地球にとっての負の遺産です。そして人類の影響で失われたもの、変化したものなどもあります。数万年後まで残る影響、そして未来にどう記憶されることになるのか。まさに人新世を描き出す1冊です。
著者、ケイレブ・エヴェレットは『ピダハン』を描いたダニエル・L・エヴェレットを父に持ち、幼少期をピダハン族の村で過ごしたのだそうです。ピダハン族は数を持たない人たちで、数については感覚的なもので生きていると言います。そんな中では数は「発明品」のひとつだ、と著者は言っています。人類は数があるのが当たり前で生きていますが、なぜヒトは数を数えられるのか。生得的なものなのか。調べてみると各地の言語には「数」の発明の痕跡が残っているのだそうです。数の謎に迫ったノンフィクション。
今、日本で起きている殺人の多くが親族間で起きているといいます。そしてその割合は年々増えているそうです。介護疲れや虐待、精神疾患など、そのときに家族のなかでは何が起きていたのか。7つの事件から家族を読み解いたルポルタージュです。
またも巣ごもり生活がやってきます。
これから出てくる新刊も面白い本ばかり。お気に入りの一冊を見つけ、刺激に満ちたおうち時間をお過ごしください!