いろいろあった2020年ももう年の瀬。出版業界はコロナ禍の巣ごもり景気の影響も受け、書店は比較的好調の1年となりました。すでに来年発売になる本の話題もボチボチ出てきています。2021年はどんな本との出会いがあるのでしょう。
ノンフィクションの予約ランキングを見てみましょう。2020年12月18日時点の予約受注実績から1月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
単行本で上位に躍り出てきたのは真山仁の『ロッキード』でした。
ロッキード事件に関しては、最新取材による出版が相次いでいて10月に発売された『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』も話題となりました。今回は『ハゲタカ』などの経済小説の書き手、真山仁が手がけるノンフィクションということで注目したい1冊となっています。
また、成毛代表の『バズる書き方』もランクイン。内容情報には「門外不出! HONZ式文章術」という一文が
出版社 | 銘柄名 | 著訳者名 | 発売予定年月日 |
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講談社 | 『フィボナッチの数学』 | 中村 滋 | 20211014 |
宝島社 | 『菅義偉 不都合な官邸会見録』 | 望月 衣塑子+特別取材班 | 20210109 |
KADOKAWA | 『日本古典と感染症』 | ロバート キャンベル | 20210122 |
飛鳥新社 | 『韓国の反日工作』 | 篠原常一郎 | 20210122 |
KADOKAWA | 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3 731部隊の真実』 |
NHKスペシャル取材班 | 20210430 |
文藝春秋 | 『ロッキード』 | 真山 仁 | 20210112 |
講談社 | 『円周率πの世界』 | 柳谷 晃 | 20210318 |
文藝春秋 | 『メディアの闇「安倍官邸VS.NHK」 森友取材全真相』 |
相澤冬樹 | 20210104 |
ビジネス社 | 『国難の日本史(仮)』 | 井沢元彦 | 20210322 |
SBクリエイティブ | 『バズる書き方』 | 成毛眞 | 20210107 |
アスコム | 『アナログ人間・田原総一郎が落合陽一に聞く100の質問(仮)』 | 落合陽一 | 20210608 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
北米では発売初日に89万部を達成したというオバマ前大統領の回顧録。大統領として理想を追った8年間。未来はよりよくできるはずというメッセージをアメリカだけではなく世界に発信し続けた大統領は、様々な局面でどんな思いを持っていたのか。世界のトップたちをどう見ていたのか。アメリカ政治の内側を垣間見ることが出来る回顧録です。
プロレス好きにはこちらを。極悪同盟や、クラッシュギャルズとの抗争の様子はプロレスファンでなくても記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。還暦を迎えたダンプ松本の記念すべき1冊には、今だからこそ語れる当時の裏話盛り沢山とのこと。注目を。
リクルート事件が歴史上の事件になり、会社そのものが大企業に成長する中、それらを読み解こうとする本は多く出版されてきました。江副浩正さん自身、自伝も出版しています。改めてその天才に迫ったノンフィクション。
リアルな旅行が難しい分、妄想の中で旅行を楽しめる本が人気です。利用者の減少で苦戦するニュースばかりが流れてきますが、2022年は鉄道が開通してから150年という記念の年になるそうです。鉄道はどう進化を遂げてきたのか、150年の記憶を時刻表から読み解きます。様々な場所に行った気持ちになる上に、時間旅行も出来るおトクな1冊になりそうです。
『運は数学にまかせなさい』の著者が語る統計学読み物最新作。コロナ禍の中の不安もあってのことか、今年は占いの本を手にとる方が多いようです。運・不運を天に任せる前に、統計学的で読み解ける偶然を知ってみませんか?
『リアルサイズ古生物図鑑』を大ベストセラーにした著者、出版社がまたまた新しいifに挑戦しています。今回は絶滅した生物がテーマ。絶滅した理由のざんねんさを捉えた本も人気ですが、そういった生物がもしそのまま進化をして現代に生きていたら…という興味深いテーマに挑んでいます。大人気の恐竜もそのままの形をとどめているわけはなく、環境の変化に応じて様々な進化を遂げているようです。
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新しい年は今年以上の激動の年になりそうです。ただ、大きく動き回るのは少し先の話、今はじっくり読書といきませんか?