『鬼滅の刃』効果が続き書店店頭の賑わいも続いています。読書の秋、長くなってきた夜に重厚な本を読むにも良い季節です。ではこの後はどんな本が発売されてくるのでしょうか?
ノンフィクションの予約ランキングから見ていきます。2020年11月18日時点の予約受注実績から12月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
トップに躍り出たのは『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』です。
オードリー・タンはこれまでも雑誌にも多く取り上げられ、本も増えてきます。この本の最大の特徴は自著であること。自らの言葉でコロナ対策成功の秘密、デジタルと民主主義、デジタルと教育、AIと社会・イノベーション、そして日本へのメッセージなどを語っています。
この他、全体的には渋沢栄一の関連書の発売が増えてきています。来年のNHK大河ドラマの主役となることが決まっていますが、ドラマスタート前に大きなうねりが来そうです。
出版社 | 商品名 | 著者名 | 発売予定 年月日 |
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プレジデント社 | 『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』 | オードリー・タン | 20201201 |
文藝春秋 | 『三国志名臣列伝 後漢篇』 | 宮城谷 昌光 | 20201208 |
SBクリエイティブ | 『知ってはいけない日本近現代史の正体』 | 馬渕 睦夫 | 20210407 |
講談社 | 『フィボナッチの数学』 | 中村 滋 | 20211014 |
KADOKAWA | 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3 731部隊の真実』 | NHKスペシャル取材班 | 20210430 |
PHP研究所 | 『直感力』 | 羽生 善治 | 20201203 |
海竜社 | 『池上彰の今さら聞けない日本のこと』 | 池上 彰 | 20201212 |
飛鳥新社 | 『韓国の反日工作』 | 篠原常一郎 | 20210122 |
誠文堂新光社 | 『藤井 旭の天文年鑑 2021年版』 | 藤井 旭 | 20201209 |
文藝春秋 | 『街場の天皇論』 | 内田 樹 | 20201208 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
コロナウイルス感染者へのバッシングは大きな社会問題となりました。この本がテーマにしたのが、医学の発展に寄与した患者の存在です。腸チフスのメアリーはすでに話題の人となっていますが、この他にも自らの身をさらしてきた様々な患者の犠牲と貢献が語られています。
この本がフランスで発売されたのはロックダウン宣言の直前とのこと。今こそ読んでみたい作品です。
「人類がはじめて靴を履いたのはいつのこと?」という問いかけに答えられる人はどれくらいいるでしょう。そんな人類の「はじめて」に注目した歴史本です。もちろん地球のはじまりであるビッグバンから始まって、言葉や歩行なんていうものの「はじめて」も網羅。憲法や民主主義といったものの「はじめて」も語られているそうです。人類の歴史を初体験から読み解く興味深い1冊。
民主主義について考える、国家のあり方について考える。そういった本が増えてきています。ポストコロナの世の中がどうなっていくのか、興味が高まっていることが大きな要因でしょう。アナキズムに焦点をあて、この歴史をたどったのが『アナキズムの歴史』。12月にはアナキズムの研究者である栗原康さんの書評集『アナキスト本をよむ』も発売が予定されています。
再犯率が6割を超えるアメリカの刑務所制度に疑問を持った著者が世界の刑務所を見て歩いたルポルタージュ。例えば、オーストラリアでは刑務所が民間に委託されていたり、タイでは社会復帰に向けた支援が行われていたり、様々な特色がありました。世界9カ国を訪ね歩きながら、刑務所が果たすべき役割とは何なのかを考えます。
ダーウィンと聞くとゾウガメをイメージするのですが、生涯の友としたのは犬だったのだそうです。付き合いの長い相棒の愛犬たちからはダーヴィンは多くの発想を得ていたようです。愛犬の視点から、『種の起源』の裏側を描いたのがこちら。
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新型コロナウイルスが再燃時期に入りました。しばらくはまた巣ごもり時間を過ごすことになるかもしれません。注目本も続々発売されていますので、おうち時間のお供選びをお楽しみください。