6月に入り閉店していた店舗も続々お店を再開しています。待ちわびていた読者も多いのか店頭の売上は好調です。学校の夏休みも短くなりそうななか、夏の書店店頭にはどんな本が並ぶのでしょうか。
まずはノンフィクションの予約ランキングから。2020年6月19日時点の予約受注実績から7月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
ノンフィクションの予約1位になったのは『アフターデジタル』で話題となった、尾原和啓さんの新刊『あえて数字からおりる働き方』です。個人として生きていくための様々な秘訣が紹介されている作品。上位に入ったタイトルの中ではAERAでの連載の単行本化となる『池田大作研究』も気になるところです。
出版社 | 銘柄名 | 著訳者名 | 発売予定 年月日 |
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SBクリエイティブ | 『あえて数字からおりる働き方』 | 尾原 和啓 | 20200709 |
講談社 | 『フィボナッチの数学』 | 中村 滋 | 20201015 |
講談社 | 『アスリートの科学』 | 久木留 毅 | 20200716 |
KADOKAWA | 『昭和史七つの謎と七大事件 戦争、軍隊、官僚、そして日本人』 |
保阪 正康 | 20200710 |
海竜社 | 『池上彰の今さら聞けない日本のこと(仮)』 | 池上 彰 | 20200731 |
朝日新聞出版 | 『池田大作研究 世界宗教への道を追う(仮)』 | 佐藤 優 | 20201020 |
CCCメディアハウス | 『新型コロナウイルス』 | 國井 修 | 20200804 |
アスコム | 『アナログ人間・田原総一郎が 落合陽一に聞く100の質問(仮)』 |
落合 陽一 | 20201207 |
KADOKAWA | 『村上世彰、高校生に投資を教える。』 | 村上 世彰 | 20200717 |
幻冬舎 | 『靖国神社の緑の隊長』 | 半藤 一利 | 20200709 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
なんと、あの有斐閣がBL!と一部で話題のBL研究本。少年愛→BLという流れ。また、BLの様々な形態を分析しています。
ジェンダー的な視点からも読み解いているので、今の時代に起こっている事を考える観点でも意味がありそう。研究者はもちろんBLファンに届けたい1冊です。
ビジネスジャンルでは、コロナ後を見据えた本が多くなってきました。『生きている会社、死んでいる会社』の遠藤功による最新作はこの6月に書き下ろした鮮度抜群の1冊。リーマンショックをはるかに超える景気悪化が予想される中で、会社が生き残るためにはどうしていったらいいのか。個人として「食っていく」ためには何をしたらいいのか。これから起こりうる変化が分析されています。
他の生物の本とは少し趣が異なり、死とその意味に向き合ったことで、多くの人の感動を呼んだ『生き物の死にざま』に続編が登場します。メディアでも大きく取り上げられた作品だけに続編にも注目が集まりそう。
コロナ禍の中、生死について考える機会も多くなっています。夏休みのお供にもオススメ。
古代の謎と魅力に溢れるツタンカーメン。日本で過去催されたツタンカーメン展も連日大行列になるなど大きな話題を呼びました。世界的にもツタンカーメン熱は冷めるどころか高まるばかり。
王家の谷でハワード・カーターが発見した200点もの秘宝を精密な写真で見ることができる豪華な1冊がこちら。秘宝それぞれの意味も読みどころです。
まだAmazonには邦訳版の詳細ページができていないのですが、社会学者であるアリス・ゴフマンのこちらが『逃亡者の社会学(仮)』として亜紀書房より7/18頃発売予定とのことです。アメリカでの発売時には、新聞などのメディアで話題になった作品。刑事司法や人種差別の問題をえぐった内容ということで、今の時代に注目されるべき1冊になるでしょう。
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コロナ後の世界や社会を考える出版物が多くなる一方で、夏休み向けの大型図鑑や企画商品なども続々発売されてくる予定です。自粛期間中に読書の習慣がついたという方もいらっしゃるでしょう。次々に興味深い本が出版されてきます!書店店頭で素敵な本との出会いがありますように。