新型コロナウイルスの拡大は出版界にも大きな影響を与えています。相次ぐ休業、発売の延期など5月まで店頭への影響は続きそうです。5月の書店にはどんな本が並ぶのでしょうか。
まずはノンフィクションの予約ランキングから。2020年4月16日現在の予約受注から5月以降に発売になるタイトルを抽出し予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
1位には『感染症対人類の世界史』が飛び込んできました。
コロナウイルス関連の本が多くなってきていますが、著者が池上彰さんだということでぐーんと予約急上昇中です。ペストやスペイン風邪など、人類はこれまで多くの伝染病と闘ってきました。人類のここまでの奮闘の歴史、冷静にこれと向かい合うためにはどうしたらいいのか。歴史から希望を学びます。
出版社 | 銘柄名 | 著訳者名 | 発売予定 年月日 |
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ポプラ社 | 『感染症対人類の世界史 』 | 池上 彰 | 20200501 |
筑摩書房 | 『ワイルドサイドをほっつき歩け』 | ブレイディ みかこ | 20200604 |
講談社 | 『見えない絶景 深海底巨大地形』 | 藤岡 換太郎 | 20200521 |
講談社 | 『還暦からの底力―歴史・人・旅に学ぶ生き方』 | 出口 治明 | 20200520 |
文響社 | 『1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365』 | 齋藤 孝 | 20200515 |
東洋経済新報社 | 『企業のための新型コロナウイルス対策マニュアル』 | 和田 耕治 | 20200529 |
PHP研究所 | 『コミュニケーション・ストレス』 | 黒川 伊保子 | 20200513 |
平凡社 | 『「共に生きる」ための経済学』 | 浜 矩子 | 20200625 |
講談社 | 『あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン 』 | 住吉 雅美 | 20200520 |
講談社 | 『フィボナッチの数学』 | 中村 滋 | 20201016 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
じわじわと人気が高まってきており、上位にも入ったのがこちら。著者はあの「しんかい6500」に51回も乗船した経験があるとのこと。もし、海が干上がったとしたらそこに見えてくる地形は、今我々の見えている地上以上の絶景が広がるのだと言います。その絶景を余すことなく解説した深海(干上がった)の世界一周本です。
世界中に熱狂的なファンをもつバンクシー。作品はもとより、本人が覆面芸術家であることも話題になる要因となっています。そんなバンクシーをイギリスの新聞記者が追いかけ、その半生を評伝にしました。匿名のまま世界的なアーティストになった理由はどこにあったのか、どんな人物なのか…ファン必読の1冊
カルロス・ゴーンの逃亡劇は昨年末のことでした。なんだかものすごく昔の事だった気がしています。
出版界ではここにきてカルロス・ゴーン本が急増中。先日は小学館からこちらは元特捜検事の郷原信郎さんが書いた『「深層」カルロス・ゴーンとの対話』が発売されています。『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』は在日のフランスのジャーナリスト。これらの本で真相は見えてくるのか!?読み比べてみるのも面白そうです。
最近、多くのグラフを目にするようになりました。「これ怪しい」というグラフもないわけではありません。それを見破る力をつけないと、わかりきった嘘に騙されるということにもなりかねません。技術を身につけ落ち着いて世の中を見回せるような力をつけておきましょう。今こそそのときです。
ブラックホールの画像撮影に成功した!というニュースが流れたのはちょうど1年前のこと。このプロジェクトは全世界の200人にもおよぶ科学者たちがチームとなった取り組んだプロジェクトだったそうです。どれだけ大変なプロジェクトだったのかは今ひとつピンとこなかったのですが「月にあるミカンの写真を撮るようなもの」だという説明を読んでのけぞりました。そんな世界的なビッグプロジェクトの裏側に迫る注目のサイエンス本です。
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不安が多い毎日こそ、きちんとした知識に向かい合いたいもの。本が皆さんの助けになりますように。