先月初めて予約本ランキングを発表したところ、多くの反応をいただきました。そろそろ2019年も終わります、予約本ランキングから、2020年1月の注目本を見ていきたいと思います。
まずは予約ランキングから。
2019/12/20現在の予約リストから1月以降に発売になるタイトルを抽出しました。(日販調べ:タイトル等今後変更になる可能性があります)
三浦崇宏さんの『言語化力』が急激に予約数を増やしています。「言葉」が自分の道を切り拓くものであるというメッセージを、具体的な使い方とともに指南する注目本です。
また、『731部隊の真実』『特攻隊員の現実』と戦争関連本が並んでいるのも興味深い点でした。
出版社 | 銘柄名 | 著訳者名 | 発売予定 年月日 |
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文藝春秋 | 『秋篠宮家の子育て』 | 20200110 | |
SBクリエイティブ | 『言語化力』 | 三浦 崇宏 | 20200124 |
集英社 | 『羽生結弦を生んだ男 都築章一郎の道程』 | 宇都宮 直子 | 20200118 |
KADOKAWA | 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3 731部隊の真実』 |
NHKスペシャル取材班 | 20200125 |
中央公論新社 | 『定年後のお金』 | 楠木 新 | 20200120 |
講談社 | 『特攻隊員の現実』 | 一ノ瀬 俊也 | 20200115 |
文藝春秋 | 『運命の絵』 | 中野京子 | 20200104 |
KADOKAWA | 『理学博士の本棚』 | 鎌田 浩毅 | 20200111 |
平凡社 | 『 「共に生きる」ための経済学』 | 浜 矩子 | 20200326 |
講談社 | 『見えない絶景 深海底巨大地形』 | 20200116 |
それでは残念ながら上位に入らなかった作品から注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
「意志力は役に立たない」。そして、これが科学的に証明されている。というという惹句を読んだだけで衝撃を受けています。人の能力が「環境」によって決まる。その能力を環境がどう規定していくのか。ということを読み解いていくのがこちら。欧米では発売後すでに大きな話題になっています。2020年代最初のビジネスランキングに飛び込んできそうな話題の本。
出版社の内容紹介文をそのまま引用します。
「名前」ほど、日常にありふれたものでありながら不思議なものもない。自らをあらわす自分の名前さえ、ほとんどの場合、自分ではない他の誰かに付けられたものであり、死後まで自分の存在は、その誰かに付けられた名前によって語られることになる。なにより自分の名前は、自分で使うよりも他者から呼ばれることのほうが圧倒的に多い。最も身近で最も遠い、それが「名前」である。
これを見るまで、名前がこんなに奥が深いものだとは思いませんでした。過去「外から貼られたレッテル」であった名前の哲学的意味が変容してきている。と本書は説いています。
ビッグデータ、個人情報、アルゴリズム、ブランド。出版業界がお世話になっているキャラクターや著作権なんていうのも無形資産ですね。確かに最近価値があると言われているもの、話題になっているもの、それは無形資産ばかり。この無形資産が増大すると経済はどうかわって来るのでしょうか。ビル・ゲイツも絶賛したという経済ジャンル話題の書。
「世界を変えた●●」という本はいくつか出ていますが、今回のテーマは「科学の本」。2500年に渡るサイエンス書の歴史において、緩やか・革命的な変化をもたらした、忘れてはならない本たちが紹介されています。原書が豪華ビジュアル付きで載っているので、古書好きにもオススメしたい作品。
CIAをはじめ、世界の諜報機関がヤバいことをやっていた。という真実を暴き出す。という本はあまたあります。が、この作品で見逃せないのは旧日本軍731部隊との「つながり」について書かれているということ。上のランキングにも出てきたとおり、数々の記録や書物が白日のもとにさらされたことで新たな真実が明らかになってきています。この本ではどんな事が明かされるのでしょう。
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2020年のスタートには未来を考える本、過去を振り返る本それぞれ気になる本が多く並びました。
次の年のベストセラーはこれから出てくる本の中から産まれてきます。果たしてどんな本が話題になっていくのでしょう。みなさんにとっても素敵な本との出会いがある1年になりますように。