代官山にある旧朝倉家住宅に行きました。旧朝倉家住宅は、地主であり、東京府議会議長を務めた朝倉虎治郎の邸宅です。回遊式庭園を持ち、東京都心部にある、数少ない関東大震災以前の歴史的建造物として、重要文化財に指定されています。
庭というとつい植栽を眺めがちですが、『作庭記』にも「石を立てん事、まづ大旨をこゝろふべき也」とあるように、庭は石組みが要です。鎌倉、室町の石組みは豪胆で緊張感みなぎり、時代を経るごとに穏やかになっていきます。江戸では名石集めが流行り、鮮やかな色の派手な石が好まれました。明治、大正では、低く地にひれ伏したような「伏石」が据えられます。
こちらの庭で気になったのは、大きな灯篭がいくつもあったことです。灯篭は本来、神仏への献灯のためにつくられ、茶の湯の流行と共に露地の照明として利用されるようになりました。
それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介です。版元のみなさま、毎度ありがとうございます!