2018年1月の今月読む本 その2は参加メンバーの後半。
前回の朝会から5か月も経つと、さすがにダブる本も少ない。それぞれの好みも明確になって「この本は○○さんが好きそう」「〇〇さんのレビューが読みたい」と思うようになってくる。でも朝会では、想像力の彼方、度肝を抜かれるような本が飛び出して、メンバー全員が唸ってしまうこともたびたびだ。
◆興味深い社会派の本をいち早く取り上げる首藤淳哉
不穏な事件が数多く起こる川崎の工場地帯をルポ。在住するラッパーたちの声が聞ける。哲学的なものに興味を持った選書。最近のお笑い番組は赤塚不二夫の理論の縮小再生産なのではないか、という意見に同意する。
◆本の買い過ぎに悩んでいたが、最近はどうなの?峰尾健一
必要なものがあるとき、最近では出かけるよりアマゾンに注文してしまう。事件や事故の因果関係を解説する本は面白そうだ。メンバーのほとんどが初めてみるスマート新書に驚きの声を上げる。小さいねえ。アマゾンと一部のサイトで売られているとのこと。
◆今は能に夢中の足立真穂
中沢新一の代表作といえばアースダイバーが浮かぶ。直木賞候補の『火定』がすごく面白かったので奈良時代のゴミには興味があったのだけど「足立さん、それ1年前の本」という指摘にあれま!幕末から明治への上方落語考もよさそう。
◆顎ひげを蓄えて精悍になった山本尚毅
全盲の研究者の盲人史研究。時間に追われる毎日なので、時計は必需品。最近は持っていない人も多いらしいけど。デロールはパリの博物商。「私、行ったことあります!」と語る足立。HONZのメンバーってなにげにすごい。
◆鉄道マニアであちこち旅行に出かけている塩田春香
今回の朝会で一番どよめいた鯖の本!発売前なのでみんなで憶測するのみ。楽しみだ!数年前か流行のへんないきもの。タイトルはちょっとひねって欲しかったかな。八甲田山の遭難は新田次郎で有名だけど、真実はだいぶ違うらしい。
◆難しくて厚い本を果敢に読み続けている澤畑塁。すごい。
訳者解説はこちら
ムカジーの本は来月に仲野徹監修で『遺伝子‐親密なる人類史』が上梓される。腰痛に悩んでいるという澤畑は本から原因をさぐれるか?ソクラテスの哲学、私の不得意分野です…。
◆AI書店員ミームさんが好調の吉村博光
ミームさんの開発でAIをきちんと知りたいと思ったそう。出版業界の将来は危ぶまれているけど、銀行はどうなの?江戸は川のまち、日本橋から出ている船で水面から上を見ると面白い。
◆最後はワタシ、東えりか
一昨年父を看取って安楽死について真剣に考えている。男たちの権力争いとは別世界の話を読んでみたい。テレビの旅行記で、なんだかわからないものを無造作に食べている人をみると怖気が走る。冒険と無謀は違うものだよね。
さて出席した人たちの推薦本はここまで。その3は欠席者のオススメを紹介します。まずは鯖の本を予約しようっと。