六本木の国立新美術館で開催中のジャコメッティ展に行ってきました。ジャコメッティは20世紀を代表する彫刻家で、針金のように極端に細長く、引き伸ばされた人物彫刻で知られています。今回の展覧会は初期〜晩年の作品が集められ、彼の一生を追うことができます。個人的に気に入ったのは、大戦中に製作された作品です。持ち運びができるように、指の腹にも乗るようなサイズですが、彼の作品であることが一目でわかります。
細長い彫刻を作っておきながら、理想の女性はマリリン・モンローなんだとか。彼曰く、マリリン・モンローのように豊満なモデルを目の前にしても、作品を作ろうとすると、細く長くなってしまうそうです。生きた人間から感じる美しさや恐ろしさを表現しようと試み、髪や肉などがそぎ落とされた彫刻が生まれました。サルトルは彼の作品を、現代における人間の実存を表現したものと評価しています。会期は9/4までですが、ぜひ行ってみてください。
それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介です。版元のみなさま、毎度ありがとうございます!