会議でスマートに見えること。それが私の一番の望みだが、だれだってそうだろう。とはいっても、会議中は眠くなったり、次の休暇やランチのことで頭がいっぱいになったりしてスマートに見せるのが難しくなるときもある。そんなときこそ裏ワザの出番だ。この本では、頼りになる 100の裏ワザを紹介しよう。
先人は「やみくもに働くのではなく、スマートに働け」とよくいうが、私のモットーは「働く時間があったら昼寝しろ」だ。この本で紹介するワザを学び、身につけ、実行すれば、あなたはいつのまにか企業のトッププレイヤーへと駆け上がっているだろう。たとえ企業のトッププレイヤーがどんなものか分かっていなくても。
その前にあなたにちょっと質問がある。 あなたは会議にしょっちゅう出ている? あなたはキャリアを向上させたいと思っている? あなたはこんなあたりまえの質問に答えるのを楽しめる人? この本を自分のため、またはほかのだれかのために買った?
答えが「イエス」ならば、この本はあなた、またはそのだれかのためにある。
ひとはなぜ会議に出るのか?
たくさんの理由がある。みんなで協力するため、情報をシェアするため、自 分の仕事が無用でないと証明するため、そしてなにより、欠席するうまい 言い訳がとっさに思いつかなかったために、みんな会議に出る。
労働時間のじつに75%が会議に費やされるそうだ。しかし、それらの会議のうち3分の1以上は 次の会議の計画に使われる。そして全体の6分の1がボンヤリしていたせいで、いま言われたことを聞き返すために使われ、さらに6分の3は、本来はメールで済ませるべきだったことに使われる。 会議ではだれもがウワの空だ。だから、先を越すためには、だれよりもうまくウワの空になることが必要だ。会議はじつは、リーダーの素質、社交能力、そして分析的でクリエイティブな思考能力をアピールする絶好のチャンスなのだ。
スマートに見えれば見えるほど、たくさんの会議に呼ばれるようになり、 スマートに見せる機会が増え、そして瞬く間に、革張りの重役椅子でくるくる回りながら天井を見上げ口笛を吹いているだろう。CEOがいつもやっているみたいに。
この本はどうして書かれたのか
原稿料をもらえるからだ。もっと言えば、締切りがあるから。
会議の裏ワザを書き留めるようになったのは 2007年の夏のこと。そのこ ろ私はYAHOO!に勤めていて、ディレクターやVP、シニアVP、そしてシニアVPディレクターたちとの会議の経験をもとに裏ワザを編み出した。7年後 、私はGoogleのマネージャーになり、それまで以上にたくさんの会議に呼ばれるようになった。どうしてそんな輝かしいキャリアを歩むことができたのかって? 会議に出て、思いっきりスマートに見せたからだ。