「面白そう!だけど買えないっ!」でおなじみのこのコーナー。更新をサボっていたら、すっかり秋めいて参りました。秋といえば、まもなくプロ野球のドラフト会議が開催されます。かつて「空白の一日」などで世間を賑わせたドラフト、今年はどんなドラマが繰り広げられるか楽しみですね。
ところで我々SOLD OUT業界にも、「空白のSOLD OUT」という現象があることをご存知でしょうか。
Amazonで発売日を迎えた書籍は、概ね朝9時に予約表示から発売表示へ切り替わります。最近、発売日当日の早朝に何本か原稿を出してみたのですが、切り替わった直後に「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」と表示されていることも多く、「さすがHONZ、数時間で売り切るとは、破壊力が違うわい」と思っておりました。
ところがです。昼くらいにもう一度見ると「在庫あり」になっているケースが、結構多いんですよね。このシステムの間隙を突いた「空白のSOLD OUT」。喜んでいいのか、悲しんでいいのかよくわからないので、とりあえず「伝説の奥義」ということにしてみます。
それではさっそく伝説の奥義が繰り広げられた書籍を、いくつか紹介していきましょう。
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「社会物理学」という新しい切り口で、ビッグデータから人間行動の法則を導き出した注目の一冊。解説記事は、かつて『データの見えざる手』で話題を呼び、著者のペントランド教授と共同研究をした経験を持つ矢野和男さんです。 ※空白のSOLD OUTタイム:推定3時間
こちらは私がレビューを書いたイーロン・マスク初の公式評伝です。 本書については、発売前夜のレビューを書いている途中に発売表示へと切り替わり、しかもSOLD OUTになっていました。ところが公開当日の夜に在庫が復活! ※空白のSOLD OUTタイム:推定20時間
こちらは、コンピュータ業界の礎を作ったインテル社のインサイドストーリー。訳者の土方奈美さんの解説記事を先週掲載しております。 ※空白のSOLD OUTタイム:推定6時間
名著が文庫版になって待望の復活!しかも文庫解説が、山本貴光さんです。
※空白のSOLD OUTタイム:推定3時間
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いかがだったでしょうか。ここまで来ると「今週のSOLD OUT」も、もはや原型を留めていませんね。どうだ、まいったか! だけど、いずれの本も読み応え抜群。読書の秋のお供に、是非お買い求めください。
HONZ編集長 内藤 順