「面白そう!だけど買えないっ!」でおなじみのこのコーナー。今週は、場が乱れに乱れまくっております。
先週、声高らかに「予告SOLD OUT」を宣言した『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(略してセカムロ)の運命は、いかに? そしてその後もハードボイルドな奥義が次々に飛び交い、まさに室町時代のような混沌へ。
それではさっそく、今週の人気記事の中からAmazon在庫切れになった本を中心に紹介していきましょう。
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まず、大好評のうちにHONZでの連載が終了した『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。結果から申し上げますと、まさかの在庫アリでございます。コンテンツとロジスティクスが美しき調和を奏で、発売の翌々日には重版も決定いたしました。
本件につきましては、読者の皆様に深くお詫びしなくてはなりません。ただ、何にお詫びをするのかというと、SOLD OUTしなかったことではなくて、説明不足があったことについてです。
「予告SOLD OUT」はその難易度の高さかから、「使い手は世界に一人だけ、同時には現れない」ことが厳しく定められています。それゆえ、「予告SOLD OUT」を宣言してから達成するまでの間に、別の人が宣言すると次の人に権利が移ってしまうんですね。これは「予告SOLD OUT返し」と呼ばれ、ラスコー洞窟の壁画にも描かれているとか、描かれていないとか…。先人たちの知恵とは奥深いものです。
この点をお伝えしていなかったことで、やや混乱が生じてしまったかもしれません。幾重にもお詫び申し上げます。
実は先週私が「予告SOLD OUT」を宣言したその裏で、予想外の出来事が起きていました。夏の間はめったにHONZへ登場しないはずの代表・成毛眞。彼のどこかヘンなスイッチを、押してしまったみたいなのです。
おススメ本を見つけました。『ミリタリーテクノロジーの物理学〈核兵器〉』明朝8時ころHONZにレビューをアップします。ご興味のある方はSOLDOUT前にGO! ただいま24,985位。
Posted by 成毛 眞 on Friday, August 21, 2015
目を疑いながら注視していたところ、予告してからレビューがアップされるまでの間にSOLD OUTが達成してしまいます。
これがまた「レビューいらず」と呼ばれる、大変な大技なんですね。よってこのケース「予告SOLD OUT返し」とあわせ、「ダブル役満SOLD OUT」になります。そしてこの宣言の段階で、「予告SOLD OUT」の権利は私から成毛眞へ移っていたため、結果的に私も予告SOLD OUT失敗から免れたということになるのです。
さらに暴走は続きます。これに気を良くしたのか、続けざまの「予告SOLD OUT」宣言です。
寝屋川の事件について投稿したところ多くの人からコメントをいただいた。問題が問題だけに無責任な言いっぱなしではゆるされないであろうから、ボクからもコメントを付け加えている。ところで、この件については今年はじめに出版された好著がある。おスス…
Posted by 成毛 眞 on Sunday, August 23, 2015
売り切れるたびに「SOLD OUTしたよ」という連絡がこちらに届くのですが、その度に「いよっ! 成毛屋!」とか声を掛けなければならないので、結構忙しいです。
ところが…です。最終的に、代表の一人勝ちかと思われたところへ、まさかの伏兵が現れました。
『習得への情熱』を見事SOLD OUTさせた、新鋭・冬木糸一。彼も、予告SOLD OUTしていた事実が発覚したのです。
『習得への情熱―チェスから武術へ』がかなり面白い。『ボビー・フィッシャーを探して』の元ネタの少年にして神童と呼ばれたチェス・プレイヤーが太極拳をはじめそちらでも高い技量を誇るように修行していく過程で「一つを極めることで、他が理解できるようになる」習熟の過程を綴った本だ。
— 冬木糸一 (@huyukiitoichi) 2015, 8月 15
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もう代表から新入りまで好き放題にやられており、収集がつきません。みんな、もう少し大人になってほしいものです。そんなわけで次は私、以下の本でレビューを書くことを予告しておきたいと思います。お買い求めは、お早めに。
それでは、良い週末を!
HONZ編集長 内藤 順
※アマゾンの在庫状況は執筆時点のものです