有事の時、正確な情報を知りたいと思ったら、あなたはどうしますか?私はテレビをつけてNHKにチャンネルを合わせます。見慣れた顔のアナウンサーが、美しい言葉使いで映像を交えながら伝えてくれるニュース。それは絶対的な安心感を与えてくれます。NHKのアナウンサーから感じ取ることができる、独特の信頼感。その秘密を余すことなく書いた一冊がこちら。
日本で最初に開局した放送局としての誇り、話し言葉へのこだわり。「NHKの話し方を、あなたたちは継なさい」と研修で言われた時、NHKのアナウンサーには伝統を受け継ぐ者としての使命がある、と感じたと著者は語ります。
研修で伝授された信頼を勝ち取るための7つのルールがまず紹介されています。
●第1のルール――話す目的をハッキリさせる
●第2のルール――「13文字以内」でタイトルをつける
●第3のルール――結論は「最初の15秒」で言う
●第4のルール――「一文50文字以内」にする
●第5のルール――「4つの抑揚」で強調する
●第6のルール――「1分300文字」でゆっくり話す
●第7のルール――独り言から入る
先日テレビで本を紹介する機会を頂いたのですが、緊張しすぎて用意していた原稿があったにも関わらず、言いたいことの3分の1も伝えられず…。読み上げるだけでは面白みに欠けるだろうと、大筋の台本だけ用意してプレゼンに挑んだのですが、途中で何を話しているかわからなくなってしまったのです。頭が真っ白になった私は沈黙してしまったのですが、そんな時には第2のルールで乗り切ることができるのです。
話す目的を13文字以内でまとめてタイトルをつけ、それを繰り返せばいいのです。「つまり私がお伝えしたいことは●●ということなのです」「このように●●ということが、ここまでの説明でもご理解いただけたのではないでしょうか?」
タイトルは結論であり、一番大切なことなので、何度言っても自然で、丁寧に説明しているという好印象にすらなるとのこと。この本を読んでプレゼンに挑んでいれば!!とすごく後悔しています。このNHK式に、矢野さんが大学院で学んだ心理学テクニックをプラスする事で、一分で一生の信頼を勝ち取る自己紹介を作り出すことができるようになるのです。
話すためのテクニックだけでなく、まばたきの仕方で信頼される方法、服の色味をいつも統一する事で安心感を与える方法、5本指ソックスで説得力を増すなど、実用的ですぐに取り組めるアドバイスも満載です。この本を読んだ今は、テクニックの数々を試してみたくてウズウズしています。後悔先に立たず。人前でお話しする機会がある方は、ぜひお早めにご一読ください。
本書でいう「男」「女」は、性別的なものではありません。コミュニケーション上のカテゴリとして、「男性的な感じ方・考え方・話し方・伝え方」をする人を「男」、「女性的な感じ方・考え方・話し方・伝え方」をする人を「女」、と分類しています。
ですから、性別的には女性だけど考え方やコミュニケーションは男性的、という人もいるでしょう。そんな人は、女友達との集団行動やおしゃべりが苦手だったり、男友達といるほうが居心地よかったりしたのではないでしょうか。
最初に「コミュニケーションタイプチェックシート」があり、自分が「ド男」「男」「女」「ド女」タイプのどこに属するのかをゲーム感覚でチェックします。ちなみに私は「男」タイプでした…。
単純に人を分類して、当たっている・当たっていないと、楽しんで読むだけの本ではありません。自分に当てはまらないタイプの人の心の動きに思いを馳せ、どういう態度を取れば相手の事を尊重して気持ちよく過ごしてもらえるだろう、とあらかじめ考えておく為の本です。出会う為の準備の本とでも言いましょうか。
わかり合えないことをスタート地点にしましょう。変にわかるフリをしない。話はそこからです。この人とは言葉が通じない。ならば、どうするか。そう、カタコトでもいいので通じる言葉を話すのです。相手のフィールドに足を踏み入れる以上、それしかありません。
「ありのままの自分でいい」というフレーズがよく聞かれるようになりました。偽らなくてもいい、肩肘張らなくてもいいとは思いますが、我を通すのではなく、相手を尊重し、時には譲歩する姿勢も大切だと思います。お互いがお互いの良さを生かしつつ、一緒に生きていくために、必要なのは違いを知る事、その一助になる一冊です。
習慣を改める事で自分を変える。それは一朝一夕でできる事ではありません。
小さな一歩を少しでも早く踏み出すためにおすすめしたいのはこちら。
大ヒット作『まんがでわかる 7つの習慣』の続編が登場。ずっと私の本棚に、読まなくてはいけない本として鎮座していた『7つの習慣』。あまりの分厚さに敬遠し続けて長い月日が経っていました。そんな時に出会ったのが、この「まんがでわかる」シリーズだったのです。
一人前のバーテンダーを目指し、バー「セブン」で働く女の子、歩。彼女が働く中でぶつかる壁。不機嫌なお客様との接し方、将来の夢をどう設定して行ったらいいか、何を優先させるべきかという問題を、美しい絵と引き込まれるストーリーで描いています。彼女の生き方、考え方を変えるのは『7つの習慣』の中にあるひとつひとつの習慣です。短いストーリーの後に、要所がわかりやすくまとめられており、教えのひとつひとつが具体的に思い描けるようになりました。
つい先日発売された2巻では、バーのお客さんの成長に重点が置かれています。様々な悩みを持つ老若男女様々な人たちが、習慣を変える事で解決への一歩を踏み出していくストーリーは感動的です。3巻の発売がいまから楽しみでなりません。
普段ビジネス書を読まない方にもぜひ気軽にお手に取ってほしい1冊です。