暑い。暑すぎる。朝会のために5時起きで、6時前には家を出たのに太陽がギラギラ。玄関に置いてある温度計をみたらすでに30度超え!また今日も体温より高くなるんでしょうか??
世の中は夏休み、来週はお盆。だからなのか、朝会の参加者は今までの最低の7人だけでした。これじゃ、盛り上がらないね、と言っていたら、あにはからんや!いろいろな話題が尽きず、突っ込んだ話もできて2時間があっという間です。本の話題はいいですね。
というわけで、今日はじっくり一冊ずつ紹介します。
夏フェス三昧の田中大輔
表紙がポップだが、中は美少女の絵だけを集めたしっかりとした画集。鈴木春信、喜多川歌麿から初音ミクまで、各絵には説明もきちんとついていて、可愛い女子の絵が好きな人は絶対欲しくなりそう。これで2700円はお買い得。私はいらないけど。
電話でかかってくる未公開株などの儲け話。ほとんどその場で切ってしまうけど、その話に乗ってみたらどうなったか、を専門家が試した。結構長い期間やっていたようで、ほとんどダメなんだけど、たまーに儲かるとか。結論としては、電話で来る話は、ほとんど詐欺。会社の上司に誘われたり、同僚がひっかかたりと、実はみなさん経験しているのね。
ファッション好きの田中大輔だからこそ持ってきた本。ウェストを細く見せ、お尻を大きく膨らませ、後世にまで洋服に影響を与えたマリー・アントワネットって面白い女性だったみたい。
FACEBOOKがまだちょっと怖い塩田春香
うぉぉぉ~と吠えたのが内藤順。フィールドの生物学シリーズは彼のオハコなのだ。しかしそこは早いもの順。塩田も元理科系編集者としては見逃せない。生き物に魅せられ、野山を徘徊する研究者は、現代の南方熊楠じゃないか、とまで言う。最近、30代の生物学者に面白い人がたくさんいるそうな。注目株の逸材!
土屋や野坂が参加していたら、泣いて喜ぶラインナップだ。京都在住の糞虫専門家による糞虫風土記。ファーブルの昆虫記でスカラベは有名だけど、日本ではあんな風に転がすのはいないそうだ。京都の山々を歩いて糞虫探し。面白そう。
この手の図鑑がずいぶん安くなった。4000円でこれだけ癒されたら、お得な感じがする。とにかく写真が綺麗で、この暑さの中では一服の清涼剤。ちょうど一昨日、4年半も卵を抱くホクヨウイボダコのニュースを見たばかり。まだまだ海の世界ははかりしれない。
昨日本を買いに行き、田中が狙っていた本を略奪した内藤順
略奪した本がこれ。青酸カリvs.ニコチン フグ毒vs.トリカブト テタヌストキシンvs.ボツリヌス などなどいろいろな角度から強さを比べる。それ以外にも甘さ対決やら爆薬やらを勝手に対決させていくけど、いや、これ結構面白い。理科好きの子供が喜びそうだ。
ああ~ん、と切ない声を上げたのが峰尾健一。なんか毎回、内藤とカブってない?それにしても日本の変な祭りってこんなにたくさんあるのか。子供の頃から見慣れている人わからないかも。ここに紹介されているだけでも20以上。行ってみたいねえ、とみんなで回し読み。
この本は私も持ってきた。奈良の金剛組などを取材した『千年、働いてきました』の第2弾ともいえる日本の古い企業のルポ。長寿企業の条件など、へえ、と思うことがたくさん書かれている。発想の転換でV字回復、なんて見ると元気が出そう。
ニューヨーク展の後始末で大忙しの新井文月
あれっ、反応が薄い…って本を読む人はあまりゲームをしないんだよ、と言われて残念そうな新井。ファミコンからプレステまで、記憶に残るゲームにはいい音楽が付いている。多分、同好の士なら盛り上がるんだろうけど、今日のメンバーにはゲームをする人がいなかったのね。成毛がいたら乗ってきたかも。
人気があったり、長く続いたりしているお店には理由がある。反対に、こういうお店を作っちゃいけない、というセオリーもあるらしい。店舗デザインの専門家が、細かいところまで図解して意味を説明していくから、あたらしくお店を開く人は必見。パラパラみているだけで「そういうことか」と納得させられた。
世の中には様々な相談室があるけれど、美術に特化した質問に森村泰昌が全力で答える。小学生の素朴な疑問から、画家や評論家からも質問は寄せられていて、答えもなかなかかっこいい。33名の37問。読みごたえあり!
ひと月5万円くらい本を買っているという峰尾健一
LGBTの人たちの本か立て続けに出ているが、本書はそのなかのT、つまりトランスジェンダーの少年少女たち。体と心の性が一致しない、性同一性障害はLGBTの中で一番少なく、かつ傾向がグラデーションのようで、画一的な方法がとれないらしい。完全に理解するのは難しいかもしれないけど、知っておきたいこと。
『ノンこれ』最新刊の編集で青息吐息と東えりか
宗教人類学者である著者が、ネパールの転生する少女の生き神、クマリを取材。女が神になるときをフィールドワークをしつつ探っていく。日本の観音菩薩にもつながり、生きながら神とされることを考察。だいぶ前にこの取材を知り、出版されるのをずっと待っていた。
終戦から69年。記憶する人は少なくなり、何やらキナくさい感じもする。1901年から1990年生まれの80人が「戦争」というものへの思いを綴った本。一見バラバラなのだが、読み進むうちに自分の中で戦争に対する考え方が固まってくる。こんなに多くの人の戦争に対する思いを聞くことなんてないから、とても新鮮で胸に残る。
1980年の新宿西口バス放火事件。6人もの死者が出た無差別殺人で、筆者は全身にやけどを負い瀕死の重傷を負う。命を取り留めた後に残る、家族や犯人への思いを綴っていくのだが、この34年間、本当に辛かっただろうと思う。この勇気ある手記に拍手したい。
成毛眞とあちこち取材に出かけている足立真穂
実はいま、盆踊りがブームなんだそうだ。錦糸町の河内音頭祭りや高円寺の阿波踊りなど、地元じゃないのに盛り上がっている。今でも炭坑節と東京音頭は踊れるかなあ。浴衣のブームも続いているし、みなさん、盆踊りはいかが?
大ベストセラーになった『困ってる人』の続編。難病を抱えながら、好きな人と自由に会いたいと病院を飛び出した更紗さん。病気がよくなっているわけでもないし、世間の風は冷たいし。でもなんとか一人暮らしに慣れたころ、あの東日本大震災が起こる。彼女の両親は福島だ。はてさて、どうする?
このところ姿を見せないが、HONZのメンバーのハマザキカクが作った『世界軍歌全集』というすごい本があるのだが、その著者が日本に特化して書いた一冊。軍歌は、政府にとって国民を戦争に動員するための道具であり、国民には最も身近な娯楽、レコード会社・新聞社・出版社には、確実に儲かる商品だった。今ならトンデモ軍歌と呼びそうな歌もいっぱい。オタクの力、爆発だ!
朝会に参加したメンバーは少なかったものの、なんだか今回は濃い本が多いなあ。帰省した実家で読むもよし、冷房の効いた自宅で眺めるもよし。まずは本屋さんへレッツゴー!