先日、六本木で食事をしたときに、約束の時間よりだいぶ早くついてしまったので、時間を潰そうと青山ブックセンターに立ちよった。するとこの本がレジのすぐ近くに平積みされているのをみて、タイトルに惹かれて即購入してしまった。さすがは外国人の多い街、六本木。
『正しいFUCKの使い方』って！タイトルが最高だ。今年No.1のタイトルではないだろうか。しかも正しい発音CDまでついているって（笑）どう考えてもこれがおもしろくないわけない！と思ったらやっぱり大当たり。これは買いだ。
映画や海外ドラマをみているとFuckという言葉はよく耳にする。少し前に公開されて、もうDVDにもなっている『ウルフ・オブ・ウォールストリート』では上映時間中に506回のFワード（Fuckなどの放送禁止用語）が使われていて、劇場公開映画の放送禁止用語発声回数で新記録を樹立したと話題になっていた。（ウルフ・オブ・ウォールストリートのFワードだけを集めた動画もYouTubeにあるので、興味のある人はみてほしい。これが結構笑える。）それくらいあたりまえのようにFuckという言葉は使われている。
また音楽の歌詞でもFuckやFuck’inという言葉は恒常的に使われている。しかしFuckというのは放送禁止用語なので、テレビやラジオで放映や放送されるときはピーという効果音でかき消されることが多い。たとえば私の好きなRadioheadというバンドのcreepという曲ではこういう歌詞がある。
I wish I was special
You’re so fuck’in special
But I’m a creep
この曲では You’re so fuck’in special の部分が一番重要なのだが、テレビやラジオで放映するためにビデオクリップなどではわざわざYou’re so very special.と書き換えている。
この曲は90年代に大ヒットしたのだけど、やはりveryでは全然グッと来ない。veryだと「とても特別な存在なんだ」というような感じになるが、fuck’inの場合は「ものすごく特別な存在なんだ」とか「マジで特別な存在なんだ」というように、感情がこもった感じがしてくる。
このようにだいたいがFuck’in AmazingやFuck’in specialというように、Fuck’in＋形容詞といった形で使われている。どちらも日本語で訳すと「超すごい！」とか「めっちゃすごい」という感じになるだろうか。Fuckを使うことで、言葉に強い感情をこめらることができるのだ。これはいい意味でFuckを使った例である。
では逆に悪い意味で使われる場合はどうだろう。
よく聞くのは下のフレーズだ。
Fuck you ! くたばれ
Fuck’in Bastard. クソ野郎
どちらも知らない人から言われたり、中指をたてた状態で言われたら注意が必要だ。知っている人から言われたとしても、相手はほぼ怒っていると思って間違いない。戦う準備か逃げる準備をした方がいいかもしれない。
間違いやすいのは下のフレーズ。
Fuck off! くたばれ！
Shut the fuck up ! だまれ！
きつい口調で言われた場合は上の意味になるけれど、友達同士で話しているときに緩い口調で使うときは「いいかげんにしてよ！」とか「もう、だまっててよ！」といった感じで使われる。このあたりは知らないと、ちょっとびっくりしてしまうので注意が必要だろう。
上ではFuckしか取り上げなかったが、このように教科書では絶対に教えてくれないFuck,Shit,Damn,Hellといったスラングを使った９９のフレーズをこの本では学ぶことができる。日常会話ではこういったスラングをしっていることが大事だ。これらの言葉はいい意味でも悪い意味でも、普段の会話でよくつかわれるからだ。フレーズを知らないと誤解をしてしまうこともあるだろう。
ただしこういった言葉を自分で使うときには注意が必要だ。この本にはこういった注意書きが冒頭に書かれている。その注意書きを引用してレビューの締めとしたい。
くれぐれも近所の子どもや見知らぬ目上の人には使用しないでください。取り扱いを誤った場合に危険な状況が起こりえて中程度の障害や軽傷、死亡や重傷を受ける可能性が想定されます。こちらでは事故が起こった際の保証はしかねますのでご了承ください。
使い方を間違えると危険だけど、使えると会話の幅が確実に広がることまちがいなしのFワードがこの１冊であなたのものに！
文中で紹介したウルフオブウォールストリートの原作本。
