まず一冊目は『現代アートの舞台裏』。モノ・カネといった人間の欲が動きまくり、かつ秘密主義のアートの世界を暴きます。その中でタフに生きる人達を取材し、生々しく描写している点で、国内本にない魅力ある内容です。アート・バーゼルといった世界最大のアートマーケットの話もありますが、世界中の著名人・芸能人がステイタスとして美術品を購入するのは事実のようです。ちなみに先日知り合った友人は香港のアート・バーゼルに訪れたそうですが、「あんなにエキサイティングな場所は無い」と大変な衝撃を受けたそうです。
世界のマーケットで戦うために、『ヘンな日本美術史』は日本の長所を認識するのに最適です。作品にはコンテクストが必須ですが、画家の視点から見た日本美術の考察がヒントになります。美術史というと難解でとっつきにくい印象があるかもしれませんが、本書の内容は軽くないのに最後まで読み易い脱力講義です。さすが山口画伯、『すずしろ日記』などにも垣間見えますが、軽い調子でさらりと美術の本質を伝えてくれます。
日本のモノづくりの人達にむけた、世界へ挑戦するためのエール本 『創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」』。前著である『芸術起業論』『芸術闘争論』もそうですが、この中に海外で勝負する答えが全部書いてあります。そして何てことはない、あとはエッセンスを抽出し、行動すれば良いだけです。
ただ実際に行動するのは、頭で理解していてもなかなかできないものです。安定した行動力と、トコトンやりきるためのガソリンとして 『はみだす力』は最適でしょう。読み終えると「何をうだうだしとるんじゃ自分、はよ動け!」と火がつきます。その意味では堀江貴文氏の『ゼロ』も同義ですが、アート的に逸話の多いスプツニ子!さんご紹介。本書のおかげで物事は「やりすぎ=丁度よい」程度だとわかります。
手にとってみた最初、よくある啓発本と侮ってました『カリスマは誰でもなれる』。カリスマというと先天的な能力で「才能ないやつは、いくらやっても駄目」と、身も蓋もないものだと思っていました。ですが著者は「カリスマは訓練次第で誰にでも身につけられるスキル」と説いてます。具体例として科学的根拠とプラシーボもふまえたエクササイズがあります。実践するまで怪しい本でしたが、効果は実感できました。しかし帯に表記があるように、悪用厳禁です。カリスマ性を帯びた時に注意すべきこととして他人の嫉妬や恨みから身を守る方法も書かれていますので、既にある程度カリスマ性を持つ人にとっても参考となるでしょう。
場所:在ニューヨーク日本国総領事館 広報センターギャラリー18階