2014年もまだ10か月残っているけれど、はやくも今年のベストと思われるビジネス書と出会ってしまった。『決定版カーネギー 道は開ける』だ。この本が1冊あれば他の自己啓発書はいっさい必要ない。そう断言してもいいと思える1冊である。この本には世界の真理が書かれている。自己啓発書は湯水のように毎年たくさん発売されているが、そういった本をたくさん読むよりも、この本を何度も読み返し実行したほうが、人生にとっては確実に有益である。
デール・カーネギーの『道は開ける』といったら、『人を動かす』とともに、自己啓発書の名著として有名だ。ビジネス書の特集で、経営者や有名人がこの本をよく勧めている。超ド定番といってもいい古典なので、だいたいどこの本屋にいっても、自己啓発書のコーナーに、この2冊は置いてあるはずだ。逆にこの本がない本屋は、このジャンルについてはなにもわかっていないと思ってもらって差し支えない。
そんな『道は開ける』を改訳し、今風のビジネス書の体裁にして作りなおしたものが『決定版カーネギー 道は開ける』である。現行の『道は開ける』も定番書として売れ続けているし、長年読み継がれてきた名著をいまさら今年のベストとか言われても、そりゃいい本に決まっているだろう!と現行版を読んでいる人には言われても仕方がないと思う。ビジネス書担当として9年も働いてきたのに、いままでこの本を読んでこなかった私が悪いのだ。ただ読むきっかけを与えてくれたことに感謝している。読んだことがない人はこの機会にぜひ読んでみてほしい。
同著者の『人を動かす』は過去に読んだことがある。これを読んだときも、この本には世の中の真理が書かれていると思った。これ1冊あれば他の自己啓発書は必要ないと思い、何度も読み返している。しかし、それ以上に『道は開ける』は素晴らしかった。今までこの本を読んでこなかったことを激しく後悔している。
この本に書かれていることはそう難しいことではない。むしろそんな当たり前のことを言われてもねぇ……。というような感想を持つ人が多いかもしれない。しかし真理というものはそういったところに隠れているのだ。それを知っているのと知らないのでは(そしてきちんと実行することができれば)人生の質というものは多いに変わってきてしまう。それをこの本を読むことで痛感した。
一例をあげよう。
昨日のことは忘れよう。明日のことに思い悩むな。
これは1章の冒頭に書かれている言葉だ。過ぎてしまったことは誰にも変えることができない。それなのに、あのときこうしておけばよかったと、過去のことについて思い悩む人はとても多いのが現状だ。また将来の不安を口にする人も多い。明日のことなんて誰にもわからないのにも関わらず。過去と未来を憂いて、今日という1日を無駄にしている人がどれだけ多いことだろうか。先日、酒の席で粗相をしてしまったことを激しく後悔している、いまの自分には染みる言葉である。
人生を幸せに生きるために唯一必要なこと、それは、その日1日を生きるということだ。今日の積み重ねが未来になるのだ。Carpe diem(その日を摘め)これはローマのホラティウスの言葉である。いまこの瞬間を大事に使え!という意味である。今日を良く生きることは、すべての昨日を幸せな夢に変えすべての明日を希望に変える。今日を精一杯生きること。これが幸せの第一歩である。
私たちの弱点は無知ではない。何もしないことである。
必要なのは知ることではない。行動することなのだ。この本に書かれていることを実践すれば、きっとあなたの人生はいまよりも豊潤なものになるはずだ。