本ブログでは小説の書評をするつもりはないのだが、あえて自己ルールを曲げて本書を紹介しておこう。昨年読んだ小説の中では圧倒的にNO.1だった。内容は1975年から2004年までのDEAと麻薬カルテルのサーガである。紹介する理由は、事実が小説を追い越しつつあるからだ。メキシコの麻薬カルテルの動きが激しくなってきたのだ。
まずはまとめだ。
「米国への麻薬密輸増加、メキシコのカルテルの活動拡大と報告書」@CNN 2010.3.29
米国の麻薬による経済コストは年間20兆円におよぶ。メキシコの麻薬カルテルは最大かつ唯一の密輸組織だ。
今年2月あたりから激しくなる
「メキシコのパーティー襲撃事件、麻薬組織の殺し屋集団の犯行か」@AFP 2010.2.3
北部の都市チワワで10代20代の若者のパーティに麻薬密売組織の殺し屋集団「ロス・アステカス」が殴り込み16人が殺された。チワワでは昨年だけで2660件の殺人事件が発生しているという。wikipediaによればチワワの人口は50万人だから杉並区とほぼ同規模だ。
死亡者数が増えてくる
「メキシコ麻薬抗争、前週末だけで100人以上死亡」@AFP 2010.3.16
アカプルコのあるゲレロ)州では麻薬組織「ラファミリア」が活発に活動をしており、前週末だけで45人が殺害された。また、チワワ州でも36人が殺害された。そのうち20人の殺害はシウダフアレスで発生している
ついにアメリカ政府関係者も殺される
「メキシコで対麻薬戦争が深刻に 米政府関係者も犠牲に」@msn産経 2010.3.15
3月13日にはエルパソに近いシウダファレスで、アメリカの総領事館関係者が3人殺された。これを受けてアメリカはスウダファレスだけでなく、ティファナ、ノガレスなど6都市の在外公館職員の家族を退避させている。
ヒラリーも乗り出す
「クリントン米国務長官がメキシコ訪問 麻薬需要の削減に向け取り組み強化」@msn産経 2010.3.24
そしてついに3月23日にはクリントン国務長官がメキシコを訪問した。ゲーツ国防長官、ナポリターノ国土安全保障長官、マレン統合参謀本部議長らも参加したというのだから、もはや戦争である。
常設カウンターも登場する
「殺人カウンター」@ロサンゼルスタイムス 2010.3.30
IT’S A WARという特集ページがあり、2007年から今日までメキシコの麻薬戦争で殺された人数が表示される。3月30日現在で10,031人が殺されている可能性があるという。INTARACTIVE NEWSのページでは親分衆のリストとその支配地域が表示される仕組みだ。
おまけ
「黄金の武器に最強の猛獣、政府に押収されたメキシコ麻薬王のものすごい資産」@カラパイア 2009.7.28
このブログの管理人はどこからこの画像を入手したのだろう。メキシコマフィアから押収した「黄金の武器」や個人動物園付きの豪邸の様子がスゴイ。