帯には「日本橋は、なぜNihombashiと書かれているのか?」「日本語最大のミステリーを解く!」とある。帯の裏にも「西洋人は『んー』が大嫌い」「古事記には『ん』はなかった「「空海も創造主のひとり」などなどじつに面白そうなコピーが並んでいる。しかも、本のタイトルは直球勝負で『ん』これで売れないわけがない。
ところだ。本書はじつに難しい。よほどこの分野に高い関心を持っている人でなければ、読み進むことができないかもしれない。ボクの場合は30ページくらいだった。唯一つ理解したのはカタカナの「ン」という文字は梵語がもとになっているということだ。ひらがなの「ん」については「初出は元永本の『古今和歌集』であるといわれている」というだけだ。結局、この素人がもっとも知りたい謎については、謎のまま通り過ぎてしまうことになる。
新潮社新書編集部の力量発揮の本と言っておこう。