今日は2回目の公開朝会。先月やったばかりなのに、とも思っていたが、オーストラリアから単身赴任していた久保洋介が帰国し、会議で仲野徹が上京し、その上3人の新人も加わる、ということで「じゃ、やりましょ」ということにあいなった。前回は20人ほどだったギャラリーだが、なんと今回は30人オーバーでびっくり。もともとのメンバーが驚いているんだから新人さんの緊張はいかばかりか、と心配になったが、みなさんなかなか堂々としていて立派!頼もしい限りである。
久しぶりの全員集合!になるかと期待していたが、欠席は急に会議が入った鈴木葉月と、ゼミの旅行で上海滞在中の刀根明日香。彼らが上げている本は後回しにして1周目がスタート。
まずはこのところ絶好調。『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で2万を超えるヒットを遂げた村上浩。
ドーキンスとは違う視点で語る「心の理論」
日本に留学した中国人が、本国では消えてしまった多くの文化を日本で発見する。特に茶道に関しての調査をした結果、驚きの事実が!鈴木葉月も推薦。
ヒューマンエラーと機械・システム設計―事例で学ぶ事故防止策 (KS理工学専門書)
- 作者: 柚原 直弘、稲垣 敏之、古川 修
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2012/8/25
様々な安全設計に関する一冊らしい。
いつ見ても足元はクロックスの高村和久。なんと仕事にもそれで行っているとか。いい会社だなあ。
アメリカにおける「表現の自由」の歴史。
経済学者で思想家のハイエクだが、高村は「複雑系の元祖」と位置付けているらしい。
これはひそかに何人も用意していたに違いない。南伸坊の百変化。ともかく素晴らしいが人前で読むときは注意が必要。
新人一人目は深津晋一郎。愛知県生まれのラガーマン。すでに3本のレビューを上げている。
著者のノンフィクション作家、藤島大もラガーマンだそう。スポーツノンフィクションでは有名な人だ。
コカ・コーラ 叩き上げの復活経営 (ハヤカワ・ノンフィクション)
- 作者: ネビル・イズデル、ビーズリー デイビッド、関 美和
- 出版社: 早川書房
- 発売日: 2012/9/7
大企業ものというより自伝らしい。ラガーマンつながり。
以前、朝会で紹介された本だが初回なのでお目こぼし。HONZ応募原稿が『下山事件』だったので、この本にも興味があるそうだ。
新人の二人目は田中大輔。某書店のビジネス書担当。しかし文芸も大好きなうえ、出身は服飾関係だとか。
Savile Row(サヴィル・ロウ) A Glimpse into the World of English Tailoring
- 作者: 長谷川 喜美、エドワード・レイクマン
- 出版社: 万来舎
- 発売日: 2012/7/13
ロンドンの高級紳士服のメッカの写真集。背広の語源である、とは土屋敦の薀蓄。
時代の最先端を切り開いた人たち。今までのメンバーにはない選書。
そういえば、不思議ちゃんって言葉はいつから使われるようになったんだろう。この30年に登場したそんな女の子たちの話。
新人、3人目は本当にお初に名古屋から来てもらった鰐部祥平。登校拒否から暴走族という経歴にビビッていたけど、本当はどうなのかな。
なぜイタリアの村は美しく元気なのか: 市民のスロー志向に応えた農村の選択
- 作者: 宗田 好史
- 出版社: 学芸出版社
- 発売日: 2012/8/15
20年ほど前まで廃れていた村が、アグリスリズムで生き返る。旅行したくて買ったのだそうだ。
かつては地方の変わった酒だったシャンパンを一大勢力にしたヴーヴ・クリコの話。
これは私も注目していた一冊。太平洋に流れるゴミベルト地帯について。
HONZ渉外担当、井上卓磨をビシビシしごく内藤順
超能力は本当にあるのか。信じている側の話やメディアの扱いについて。
日本の市場には出られないパチンコ業界が、香港で上場。その顛末記。
ヒトはなぜ難産なのか――お産からみる人類進化 (岩波科学ライブラリー)
- 作者: 奈良 貴史
- 出版社: 岩波書店
- 発売日: 2012/9/7
メンバー大好き岩波科学ライブラリー。「頭が大きいからでしょ」って麻木からニベもないコメントが。
前回の公開朝会では欠席だったので、ファンにはうれしい栗下直也
台湾のオカルト事情や日本の怪談との比較など。
すかさず「もう読んだ!」と内藤。生きるって言ってるわりには遊郭経営を10年で辞めているらしい。
排除社会の現場と暴対法の行方 (シリーズ おかしいぞ! 暴力団対策)
- 作者: 宮崎 学、亀井静香、又市征治、青木理、小谷野毅、設楽清嗣、田原総一朗、宮台真司、鈴木邦男、高井晃
- 出版社: 同時代社
- 発売日: 2012/8/3
最近嵌っている「暴対法」、って、また変なものに嵌っちゃったなあ。しかし執筆者が豪華でびっくり。
最近HONZにレビューする本のセレクションにものすごく悩んでいる足立真穂
私はホロコーストを見た(上): 黙殺された世紀の証言1939-43
- 作者: ヤン・カルスキ、吉田 恒雄
- 出版社: 白水社
- 発売日: 2012/8/23
世界で最初にホロコーストを告発した本だが、上下巻で長大。村上浩でさえ尻込みした作品。
書店でみると「ぎょっ」とする装丁の本。アグレーブ収容所での虐待の真実。
デジタル鳥瞰 江戸の崖 東京の崖 (The New Fifties)
- 作者: 芳賀 ひらく
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2012/8/31
坂道や谷など、東京の地形ブームの一環か。
オーストラリアから帰国、久しぶりの生HONZなのに全然違和感のない久保洋介
書店に行くとベストセラーに目が行ってしまうそうだ。不況の時こそ金を使え、というスカッと気持ちいい本。
とにかくよく売れている、と田中。戦後史の中で親米、反米それぞれの立場をとった政治家たちの話。
新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?
- 作者: 遠藤 功
- 出版社: あさ出版
- 発売日: 2012/8/28
停車時間は7分間。その中で完璧な掃除をする技術のすごさ。
HONZ若者枠のひとり、山本尚毅。のほほんとした口調とは裏腹に、言っていることは結構シビア。
宮本常一とあるいた昭和の日本〈25〉青春彷徨 (あるくみるきく双書)
- 作者: 宮本 千晴、田村 善次郎
- 出版社: 農山漁村文化協会 (2012/09)
- 発売日: 2012/09
膨大な著作のある宮本常一を読破したいという山本に「若いんだから頑張りなさい」と突き放す麻木久仁子。世代間戦争勃発。
混乱の本質 叛逆するリアル 民主主義・移民・宗教・債務危機 (プロジェクト・シンジケート叢書1) (PROJECT・SYNDICATE)
- 作者: ジョージ ソロス、ジョセフ E スティグリッツ、クリスティーヌ ラガルド、ジャン=クロード トリシェ、トニー ブレア、徳川 家広
- 出版社: 土曜社; 初版
- 発売日: 2012/8/25
著者は徳川家19代。すでに深津が読んでいて「最後のプーチンが面白かった」そうだ。
エジソンの下で働いていたフォード。素顔はどんなだったのだろう。
見るたびに髪の毛が短くなって、なんだか僧侶のような土屋敦
見えるようになったらどんな得があるんだろう?
精密立体 ペーパーバイオロジー (飛鳥新社ポピュラーサイエンス)
- 作者: 土屋英夫
- 出版社: 飛鳥新社
- 発売日: 2012/9/8
様々な生き物をペーパークラフトで作ろうというすごい本。すでに成毛は組み立てはじめた、っていうからさらにびっくり。
万葉の時代から僧侶が作った歌を集めたもの。抹香くさいものから現実的なものまで。
学生メンバーを外れ、HONZの何でも屋として活躍中の井上卓磨
近々、レビュー予定。成毛から、「それより米欧回覧実記を読め」とアドバイス。
多分、この本も多くのメンバーが気になった一冊だろう。レビューは早い者勝ちかな。
文庫になって手に入れやすくなった。
先週の土曜日、Eテレに出演した新井文月。お腹をひっこめなきゃと決心したそう。
日本の美術界で押しも押されもしない大家だが、その評論はあまり出ていないそうだ。成毛も注目の本。
偶然だが田中大輔と興味の方向が一緒。アナスイ、やポール・スミスなどへのインタビュー。
「売れてる」かどうかは疑問だが、現在発行されている雑誌紙面の作り方。
大学関係の会議のついでにHONZ朝会、っていうけど本当はどうなの?の仲野徹
生まれ変わったら亀になりたい、と衝撃の告白をする仲野。よく懐くらしい。
なんと、キャンディーズを知らないメンバーがいることに驚愕する仲野。世代間戦争はこの後も続く。
日本に帰化したドナルド・キーンの著作。『坂の上の雲』に描かれた姿とは全く違う。英語で書かれたものを翻訳したそうだ。
「朝だから今日は7割のお化粧よ」とにこやかに登場した麻木久仁子
方言には女ことばがない。明治維新後、標準語を作る上で作られた言葉であったらしい。鈴木葉月も推薦。
稲の大東亜共栄圏: 帝国日本の〈緑の革命〉 (歴史文化ライブラリー)
- 作者: 藤原 辰史
- 出版社: 吉川弘文館
- 発売日: 2012/8/21
『ナチスのキッチン』の著者の作品。かつて、日本はいつも米不足だった。アジア一帯で米を作付した記録。
麻木は火力発電主義者だそうだが、シェールガスについての知識を求めて、だそう。専門の久保にいわせると「至極、真っ当な本」。
秋に発売予定、HONZ本製作が佳境に入っている東 えりか
一番簡単なトースターを分解し、部品ひとつひとつから手作りして作り直した記録。なんと鉄鉱石から鉄を取り出すところから始めるという徹底ぶり。刀根明日香のたった一冊の推薦本だったのに…
栗下が選びそうだが、実用書。メンバーで唯一「未亡人」になる可能性があるのは、現段階ではワタシだけ。足立も麻木も「まだ可能性はある!」と憤然としていた。
ずっと注目している医学書院の新刊。かつて地方の医療衛生を担っていた保健婦の実体を調べた労作。
この夏、本業が忙しく夏バテぎみの成毛眞
四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日
- 作者: 石塚 健司
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2012/9/7
検察の履き違えた正義によって中小企業が苦境に追い込まれる、その実体。
冤罪による死刑判決なのに、判決が維持される不思議。ねじ曲がった裁判制度について。
なぜ西洋が覇権を握ったのかを解き明かす。
会議で欠席の鈴木葉月は推薦本の2冊はカブって残ったのはこの本
折しも冲方丁『光圀伝』が発売され、プチブーム中。
ここで1周目は終了。さすがにこの人数だと時間がかかる。というわけで2周目は一冊ずつ紹介する。実はオマケ本のほうが面白いことが多いのだ。その2は近いうちにUPの予定。乞う御期待!!