6550万年前、恐竜は小惑星の衝突によって絶滅してしまった。すでに一般常識化していると思っていたら、じつは科学界では論争が続いているという。世界中の研究者たち41人はさすがにそろそろ決着をつけようとサイエンス誌に連名で論文を提出した。ところが、その論文に対してさらに衝突説反対派が反論を試みてきたというのだ。
本書はその異説のどこが間違いかをとことん解説するだけでなく、その論争のありさまやメディアの対応などについてまとめている。しかし、アメリカ人の数十パーセントは天地創造説を信じているくらいだから、研究者のこれしきの頑迷さなどは、しかたがないことかもしれない。ちなみに衝突説に反論しているのは1980年代からの30年以上にわたって火山説などを主張してきた老研究者だ。いまどきの若者はといっている層だ。