先月に比べると、いくらか陽の昇るのが早くなった気がする。それでも、まだ暗いうちに家を出て、ただ本の話をするためだけに六本木に向かう。他のメンバーは、今回はどんな知らない本を発掘してくれるだろうか。カブらないといいなあ、と心配しつつ会議室へ。
今日の欠席は「家庭の事情」で栗下直也。ゼミの関係で学生メンバーの一色麻衣。何の連絡もない塚越啓樹はどうしたのか?至急連絡するように。
まずはその栗下直也がメールで送ってきたオススメ本から。
「栗ちゃん、ぜったい狙ってるよねぇ」と一同納得。
しかし既に『快感回路』を読んだ村上は「かなり専門的だけどなあ」とつぶやいていた。
というわけでここからは出席者。
出張前で大きなキャリーバッグを引いてきた高村和久。40分だけしか居られない、というのでトップバッターに立ってもらう。
ブラタモリが人気で、この手の東京地図が売れている。この本もずいぶん評判がいいようだ。
これもかなりの人気本。未来予測がなぜ不可能なのかを「偶然」から読み解く。告白すると、私はまえがきで挫折しました…
著者は中国の大学を出て、中国人の奥さんをもらった中国通。中国人の常識と日常は驚きの連続らしい。
続いて、今日もさわやか麻木久仁子。しかし選書はシブイぜ!
日本史で習った「徳政令」。借金チャラって変じゃない?ということから読み出したそうだ。
日本人にも馴染み深いこの物語が、世界の中でどう位置づけられているか、ということらしい。
オランダベストセラーになったメディアリテラシーの本。池上彰さんに薦められた本だそうだ。メンバーの何人かはすでに読み始めているが、ちょっと手ごわいらしい。
炭酸水を飲もうとしたら、なぜか吹きだして水浸しになったワタシ、東えりか
明治以降の女性作家について資料を集めているのだが、彼女たちのエッセイがとびきり面白いとかねがね思っていた。川上弘美と小池真理子が選者になって、女性作家の随筆アンソロジーが創刊された。隔月で12巻。幸田文がちょっとエッチだったり、森茉莉の記憶力に驚愕したり。
職人とか「ものづくり」が大好きなHONZ。著者自身が障害者で車椅子の製作に携わる。画期的な犬の車椅子も製作。
前著『信長革命』で衝撃を受けた。戦国末期の海の覇者たちの物語。
オーストラリアは35℃だそうだ。日焼けが気になる久保洋介。
あの震災のとき、GoogleやYahooなど回線をどう確保したか。多くの執筆者が検討している。掘り出し本だそうだ。
オーストラリアに取り寄せているのもすごいが、この重そうな本を持ってきていた鈴木葉月もすごい。写真が満載されていて、旅行に行ったような気分になる。
広告業界では伝説的な人物の評伝。代理店に勤める内藤に書いてもらいたい、とプロポーズしたが「書きづらいからダメ」と一言で却下されていた。
先日、成毛と一緒に京都へ行き、たいへんな思いをしたらしい土屋敦
藤本壮介は大学を出てからニートになり、部屋で図面だけ書いていた人だそうだ。台湾の300メートル台湾タワーの設計で一等を取ったとか。
虫業界は変人ばかり。ただ、養老孟司さんはじめ大物がひしめいている。
今回のカブり大賞のひとつ。ワタシも村上も持ってきていた。いわゆる「ゴミ屋敷」にしてしまう人とはどういう人か。
1月は出版点数が少ないのか、今回はカブりまくっている鈴木葉月。
本当にみんな職人さんや工場が好きだ。鈴木は長年使い込んだ工具などの写真を見るとほっこりするらしい。
かわいいタイトルなのに、ガツンと専門的な日本語の濁点の研究書。てんてんは近代にできたものだそうだ。
このところ人気の高い中公新書ラクレ。メンバーで愛煙家は内藤ひとりだけ。ちなみにお酒を飲まないのも内藤だけ。タバコを吸う人は本当に暮らしにくい世の中になった。
最近は録画したテレビを見まくっているという成毛眞。昨日も16時間ぐらいみていたとか。
マリー・アントワネットのお抱え洋服デザイナー。庶民でありながらそばに仕えオートクチュールという概念を作った女性。モードという言葉も作った。
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』などで有名な物理学者だが、かなり量子力学などに精通してないと読めない評伝。
北海道出身の成毛は、小学校の学習旅行で鰊御殿を見学したそうだ。鰊で一財産作った一族の物語。
国がらみの仕事は、あまり引き受けないというベンチャー企業の山本尚毅
震災後、瓦礫や木材などをビジネスに結びつけた人たちを取り上げた一冊。かなりきわどく、少し吐き気がしそうなイヤな話。
ミャンマー関係のことを調べていてこの本にたどり着いたとのこと。
かなり興味深い対談。巷でも評判がよく読みふけってしまったと言っていた。
奥さんの出産をひかえ、引越しを考えている新井文月
つい先ごろまで国立博物館に展示されていたが、見るまでに4時間近く並ばなければならなかったという、大評判の絵。
モンゴルの英雄譚、初の和訳。吟遊詩人たちが語り継いだ物語。
ネットなどでもよく話題になるおどろくべき子供の名前。以前はDQNネームなどと言われていたが、最近はキラキラネームというそうな。その子の行く末が心配になる。
来月イギリスに出張するという村上浩。今回も細かい付箋がいっぱい。
成毛も持ってきていた本。船マニアにはたまらない一冊。でも船の失敗って沈んじゃうってことでしょ。
タックス・ヘブンだとばかり思っていたら、天国じゃなくて避難地(ヘイブン)だそうな。
アトランティスなどの疑似歴史はどのように生み出されたのか。
先月買ったとても高価な本が、期待はずれでがっかりしていた内藤順
哲学者で小説家・三浦俊彦がはまったミミズの飼育。ミミズと聞けば野菜作りをしている土屋の目が光る。
キネマ旬報から出ている、映画の団地だけを取り上げた座談集。宮崎駿の描き方がいいんですって。
車の工場では、すでに出来上がっている部品を組み立てるだけだが、この本はその部品自体を作る工場の紹介。工作マニアたちが垂涎。
学生メンバーのオススメ本とその他の本はまた第2弾で。最初は何でも買い捲っていたみんなだが、最近では「この本はあの人が選ぶから…」とあたりをつけるようになってきた。それでも知らない本がいっぱい。相変わらず、本の世界は奥深い。