しまった。完全に食わず嫌いだった。この言葉について、もっと早く知っておくべきだった・・・
本書は今、注目を集めつつある「ゲーミフィケーション」の何たるかを説明した一冊。ちなみに、ゲーミフィケーションとは「ゲームの要素をゲーム以外のものに使う」ということ。ゲーム以外のことに使うのだから、ゲームの話ではない。僕はそこを大きく見誤っていた。
いったいゲームのどのような要素を持ち込むのか?それは大きく分けると二つ。まずルール決めるということと、そしてゴールを明確にするということ。このシンプルな原則で、世の中のアクティブな参加型サービス、組織、コミニティなどが、なぜ上手くいっているのかの説明がつく。
例えばオバマの選挙活動中に、支援活動の内容に応じて支援者がレベル付けがされ、ステータス表示されていたというのはよく知られている話だ。これも本書ではゲーミフィケーションの一例として紹介されている。また、電気使用量、消費カロリー、家計簿、体重のようなライフログをパブリックに晒して競い合うのも、一種のゲーミフィケーションと言えるだろう。
この面白さ、僕には凄く腑に落ちた。なぜなら、HONZのメカニズムは完全にゲーミフィケーションで動いているからだ。ルールは単純。知られざる面白い本を見つけて競い合う。ただしジャンルはノンフィクションのみでビジネス本はなし。僕がHONZに感じる面白さのベースは、このルール設定にある。
身近にあるルーティンな行為、ちょっと気の進まないことなどを、ほんの少し楽しいものにし、毎日を前向きなものしたい。そんなことを感じている人の、良きパートナーになってくれそうな一冊だ。