緊急事態宣言が明けるとともに一気に秋めいてきました。実りの秋、快晴の空を見るとぱーっと外に出かけたい気分になりますが、書店店頭も豊作です。これから、どんな本が発売されてくるのでしょう。これから出る注目ノンフィクションを紹介していきます。
2021年10月22日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
注目作は大ベストセラーとなった『スマホ脳』の第二弾となる『最強脳』です。『スマホ脳』を読んで、多くの方が抱えた「じゃあどうしたらいいのか」「脳に良いことはなんなのか」という疑問に答える内容となっています。発売からベストセラーランキング上位を維持し続ける『スマホ脳』ブームがまたまた再燃しそう。
出版社 | 商品名 | 著者名 | 発売予定年月 |
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廣済堂出版 | 『大谷翔平』 | 小関順二 | 20211126 |
東洋経済新報社 | 『LIFE SHIFT2』 | アンドリュー・スコット | 20211029 |
新潮社 | 『最強脳』 | アンデシュ・ハンセン | 20211117 |
新潮社 | 『日本の聖域ザ・コロナ』 | 「選択」編集部 | 20211028 |
サイゾー | 『世襲議員という巨大な差別』 | 苫米地英人 | 20211029 |
扶桑社 | 『母のトリセツ』 | 黒川伊保子 | 20211102 |
KADOKAWA | 『ケビン・ガーネット自伝』 | ケビン・ガーネット | 20211028 |
文藝春秋 | 『老人支配国家 日本の危機』 | エマニュエル・トッド | 20211118 |
講談社 | 『日本酒の世界』 | 小泉 武夫 | 20211111 |
筑摩書房 | 『江戸衣装図絵 武士と町人』 | 菊地 ひと美 | 20211112 |
これから出る本リストから注目作品を紹介していきます。
この秋、政界からの引退が決定していることでメルケルに関する本の刊行が増えています。35歳で政界に打って出た後、様々な成果、一方で様々な苦難にも突き当たりつつドイツを導いたメルケル首相。元科学者という経歴はコロナ対策においても力を発揮しました。
私生活を明かさなかった彼女の決定的評伝。
最近では様々なロボットが開発されていますが、それでもロボットのイメージは「硬いもの」。作りの堅牢さ、精密さにはやわらかさ、いいかげんさというイメージはありません。こういったロボットは、赤ちゃんをやさしく抱きしめるといった行動をとるのが難しいのだそうです。で、ここで活躍するのがソフトロボット。いいかげんさ、あいまいさを活用できるロボットが未来を創るのです。「いいかげんさ」を持つロボットはミスもしつつ学習します。
そんなソフトロボット開発最前線を描いたノンフィクション。
毒殺未遂事件で世界的な注目を集めたロシアの反体制派指導者ナワリヌイ。一命をとりとめるも、療養先からの帰国直後に拘束されたことでまた大きな話題となりました。その安否は国際的な注目を集めています。
プーチンの行っている政治の実態、そして、そのプーチン政権がなぜここまで彼を恐れるのか。なぜここまでの力を持つに至ったのかを描くノンフィクション。
ブランドを代表する花柄「ウニッコ」柄は日本でもお馴染みのものになりました。1951年に設立されたフィンランドの企業ですが、その経営には多難な歴史がありました。倒産目前とされていたマリメッコを世界的ブランドに成長させたのは伝説の女性経営者でした。
男女平等の国として話題になっているフィンランドも、その昔はそうではなかったといいます。前代未聞の女性だけの広告代理店を立ちあげ活躍した女性社長の物語。
コロナ禍でおうち時間が増えて、ガーデニングをする人、植物を育てる人が増えているという話をよく聞きます。ただただ、暇つぶしになるだけではなく、庭仕事には人の心に対して大きな働きかけをするそうです。著者は世界的ガーデンデザイナーを夫に持つ精神科医。庭造りの中で、自然と庭と人間の精神に気づき、様々な事例を調べ始めます。
そこには庭仕事で自分を取り戻した多くの人々がいました。英国で大きな話題となったノンフィクションです。
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書店店頭には早くも年末年始向け商品が並び始めています。今年は一大鈍器本ブームが巻き起こった年でもあり、厚くじっくり考えさせられる本が多く読まれた印象があります。今年の本は今年のうちに。ぜひ書店に足を運んでみてください。