政局が大きく動いています。菅新総理の過去の著作が復刊されるなど店頭にも動きが出てきました。またアメリカも大統領選を前に様々な本が出版されています。10月のノンフィクション売場はどんな様子になるのでしょう。
まずはノンフィクションの予約ランキングから。2020年9月18日時点の予約受注実績から9月以降に発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります)
『ジョン・ボルトン回顧録』は当初の発売予定だった9月から発売が10月に変更になっています。予約も大きく伸びてきています。
注目株はユヴァル・ノア・ハラリの『緊急提言 パンデミック』
新型コロナウイルスの拡大局面では、世界中の知性達が多くの予測や提言を行いました。『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリも登場回数が多かったひとり。英米のメディアに答えたインタビューをオリジナル編集でまとめたのがこちらです。
出版社 | 銘柄名 | 著訳者名 | 発売予定年月日 |
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朝日新聞出版 | 『ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日』 |
ジョン・ボルトン | 20201007 |
河出書房新社 | 『緊急提言 パンデミック』 | ユヴァル・ノア・ハラリ | 20201008 |
朝日新聞出版 | 『池田大作研究 世界宗教への道を追う』 | 佐藤優 | 20201030 |
KADOKAWA | 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3 731部隊の真実』 |
NHKスペシャル取材班 | 20201127 |
小学館 | 『娘のトリセツ』 | 黒川伊保子 | 20201001 |
文藝春秋 | 『「自分メディア」はこう作る!』 | ちきりん | 20201007 |
ワック | 『コロナという「非日常」を生きる』 | 曽野 綾子 | 20201009 |
KADOKAWA | 『なぜ日本経済は後手に回るのか』 | 森永 卓郎 | 20201010 |
PHP研究所 | 『世間とズレちゃうのはしょうがない』 | 養老 孟司 | 20201015 |
ダイヤモンド社 | 『ワークマン式「しない経営」』 | 土屋 哲雄 | 20201022 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
先日、「中核派」のトップ の姿が51年ぶりに確認されたというニュースがありました。まだ、過激派の歴史は終わっていないということを認識し衝撃を受けています。これは「全学連と全共闘など過激派と呼ばれた学生たちの写真を、その中の一人として撮っていた」という著者が2018年の全共闘50年をきっかけにデジタル印刷でそれらを蘇らせました。様々なデモの様子、バリケードの中の様子などが鮮明に蘇ってきます。
最近「超」高級野菜が話題になっています。この本の著者はそんな高級野菜の一つ、ねぎびとカンパニーの清水社長。フルーツのように甘くて美味しいねぎは多くの人々を虜にしています。この高級野菜が出来上がりヒットするまでにはセールスとマーケティングの極意が全て詰め込まれています。マーケティングについて考える大事な1冊になりそう。
他のファンドと比較しても異常なまでに高いリターンを叩き出している、ヘッジファンド「ルネサンス・テクノロジーズ」の創始者ジム・シモンズは数学者からこの世界に転身したのだそうです。様々な分野の科学者をチームに招き入れ、どうやって勝ち続けられるシステムを作り上げたのか。裏には科学者達のドラマがありました。
ビル・ゲイツが「2018年に読んだ記憶に残る5冊の本」の筆頭にあげた『Educated: A Memoir』の邦訳が発売されることになりました。今、小説家としても活躍する著者は原理主義的なモルモン教徒の家に育ち、17歳になるまで学校にも病院にも行ったことがなかったそうです。子どもの教育に興味がない父親に育てられた少女がどうやって学問に目覚めていくのか、家族について教育について考えさせられる1冊。
虐殺され木に吊るされた黒人を歌った「奇妙な果実」、この歌に惹かれた著者はカフェ・ソサエティの跡地を訪ね、当時の事を知る人々に話を聞いて歩きました。ビリー・ホリデイの生涯、当時のジャズシーンなどが蘇る音楽ファン必読のノンフィクション。
米国では9月15日に発売され、発売前にミリオンセラーになる話題作となっているこちら。金正恩委員長との書簡の中身などが公開されています。著者、ボブ・ウッドワードは2018年にも『FEAR 恐怖の男』でトランプ政権の裏側を書いており日本でも話題になりました。12月の発売ですが、すでに予約が集始めています。
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政治・経済といったジャンルで注目商品が多く出てくるようになりました。コロナ後の世界を見据え、各国の政治家や投資家、知識人がどう動くのか、どういうことを考えているのか、そういった興味が高まってきているのかもしれません。