スタートダッシュで沸いていた出版業界も新型コロナウイルスの影響を大きく受け始めました。とはいえ、家でのんびり過ごす時は読書のチャンス。3月の書店店頭はどんな様相になるのでしょうか?
まずはノンフィクションの予約ランキングから。2020年2月21日現在の予約受注から3月以降に発売になるタイトルを抽出し予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル等今後変更になる可能性があります)
上位で気になるのは『チバニアンと地磁気逆転(仮)』
今年誕生した日本初の地質年代である「チバニアン」の認定までの取組と、その地質年代の意味についてを解説している1冊です。
また、早くも新型コロナウイルス関係の本が出てきました。一番乗りは宝島社の『世界一わかりやすい新型コロナウイルス完全対策BOOK』になりそうです。今後も各社から出版が予定されています。
出版社 | 銘柄名 | 著訳者名 | 発売予定 年月日 |
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SBクリエイティブ | 『ヤバい集中力ノート』 | 鈴木 祐 | 20200422 |
講談社 | 『見えない絶景 深海底巨大地形』 | 藤岡 換太郎 | 20200416 |
SBクリエイティブ | 『知ってはいけない明治維新の真実』 | 原田 伊織 | 20200307 |
PHP研究所 | 『交渉力 結果を決める伝え方・考え方(仮)』 | 橋下 徹 | 20200313 |
宝島社 | 『世界一わかりやすい新型コロナウイルス完全対策BOOK』 | 寺嶋 毅 | 20200306 |
筑摩書房 | 『世界哲学史3』 | 伊藤 邦武 | 20200309 |
有斐閣 | 『六法全書』 | 中里 実 | 20200326 |
講談社 | 『チバニアンと地磁気逆転(仮) 地球の磁場はなぜ逆転するのか』 | 菅沼 悠介 | 20200319 |
SBクリエイティブ | 『中国は民主化する』 | 長谷川 慶太郎 | 20200323 |
KADOKAWA | 『知らないと恥をかく東アジアの大問題』 | 池上 彰 | 20200307 |
予約リストから注目作品を紹介していきます。これからどんどん予約が増えますように!
新型コロナウイルスの致死率が話題になっている今にぴったりの作品が出てきます。この著者、デイヴィッド・シュピーゲルハルタ—は「マイクロモート」という考え方をつかって「死」の確率を研究しているのだそうです。平均寿命から死期を見たときに、何が一番のリスクになるのか…を考えているうちに理想的な生き方も見えてきそう。
昨年アメリカで発行され大きな話題となった作品が日本に上陸します。
この本では気候が4℃上昇することで、食料危機が発生し、死者が増加、世界全体での気象災害の損害は600兆ドルに…と、暖冬だねえ。なんてのんびりした会話をしている場合ではない危機が示されています。危機を認識し、私たちはどう動いたらいいのか。提言を受け止め考えたい1冊
詳細情報がないもののあの『最後の秘境 東京藝大』の著者の著作であればチェックしないわけにはいきません。そもそも二宮さんご本人が大学時代に競技ダンスをやっていた、ということでその世界を案内してくれています。濃い世界が見えてくる、はず。
経済関係で気になったのがこれ。お金の話ばかりしていると、世知辛いとか腹黒いとか言われがちですが、経済学にも義理と人情が活躍する側面があったようです!人の気持ちがわからない人は結局損をする。と本書は説いています。ロジカルで合理的なだけでは得られない何か…それをデータ分析して教えてくれるという経済学書。対人関係について考えたくなるこのシーズンにぴったり。
今回チェックした本の中ですぐに欲しくなったのがこれでした。ビジュアル図鑑としては世界で高い評価を得ているDK社の作品なのでその品質は間違いなし。年表と書いてありますが、テーマ別に豪華ビジュアル化されているので、見ているだけでも楽しめるし記憶にも残りそう。今年は世界史ブームが続いていますが、これは大人も子どもも読めるので新入学のお祝いにも喜ばれそうですね。
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感染症の不安はしばらく続きそうですが、こんな時こそじっくりゆっくり考え事をするのがオススメ。良い本との出会いがありますように。