京都の夏の味覚といえば鱧ですね。鋭い歯で咬みつくことから、「食む(はむ)」がなまり、「はも」と呼ばれたそうです(諸説あり)。血液には毒があるので、加熱して処理します。小骨が多く、調理の際は「骨切り」の技術が必要です。1寸(約3cm)につき26筋の包丁を入れられると、料理人として1人前と言われたとか。
上品な味はまさに京都らしいですが、よく食べられたのは、その生命力の強さにあります。輸送技術が未発達の時代の夏でも、大阪湾や明石海峡で採れた鱧を、生きたまま内陸の京都まで運べたそうです。海の魚にしては珍しく、皮膚呼吸ができ、桶を湿らせるだけでも生きていたとか。
それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介です。版元のみなさま、毎度ありがとうございます!