このコーナーの読者何名かの方から「あれはどんな人に読まれているの?」という質問を受けました。この1ヶ月、そういった興味を一身に集めているのが「おとちん」こと『夫のちんぽが入らない』です。 ※レビューはこちら
広告をうっているのに肝心なタイトルが書かれていない、お客様が問い合わせをしてきているのだけれど、あまりに口を濁しすぎてタイトルが言われたことがない…など、話題が尽きる気配を見せません。さあ、この注目書、いったいどんな方に読まれているのでしょうか?
まずは読者層です。
読者層を見てみると著者のこだまさんの同世代30代~40代の女性がトップに。書店店頭で購入するのはちょっともの恥ずかしいタイトルなれど、女性層の人気を集めています。
一方の男性陣の購入層も面白いデータが出てきました。ダントツトップは60代、続いて40代、50代。「不通」に悩む世代が買い求めているようです。色モノ企画に見られがちですが、読者はいたって真摯のようでした。
続いてこの読者の併読本を見てみましょう。下記は『おとちん』読者が今年の1月以降に購入した作品となります。
RANK | 分類 | 書名 | 著者名 | 出版社 |
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1 | コミック | 『東京タラレバ娘[7]』 | 東村 アキコ | 講談社 |
2 | コミック | 『僕だけがいない街[9]』 | 三部 けい | KADOKAWA |
2 | コミック | 『キングダム[45]』 | 原 泰久 | 集英社 |
4 | コミック | 『ONE PIECE[84]』 | 尾田 栄一郎 | 集英社 |
5 | 書籍 | 『蜜蜂と遠雷』 | 恩田 陸 | 幻冬舎 |
5 | 書籍 | 『沈黙』 | 遠藤 周作 | 新潮社 |
7 | 雑誌 | 『ダ・ヴィンチ』 | KADOKAWA | |
8 | コミック | 『鴻池剛と猫のぽんたニャアアアン![2]』 | 鴻池 剛 | KADOKAWA |
8 | コミック | 『宇宙兄弟[30]』 | 小山 宙哉 | 講談社 |
8 | 書籍 | 『ダーリンは71歳』 | 西原 理恵子 | 小学館 |
バリエーションに富む読者層はここに影響を及ぼしていました。
コミック、雑誌が上位を占有。通常の「ノンフィクション」読者とは大きく異なった層に手に取られたことがよくわかります。発売してすぐに話題になり、ベストセラーになったため、他のベストセラー商品との併読が目立っています。
それでは併読商品から注目の作品をいくつか紹介します。
併読読者の多かったのがこちら。著者が実際にうつを経験しており、その経験をきっかけに他のうつ経験者の実体験を学ぶという異色のレポート。ネット上などでも話題になっており、注目度急上昇中の1冊です。
ブラタモリ読者にもよく読まれているこちら。地政学もそうですが「地形」に多くの興味が集まっています。身近な地形から、プレートテクトニクスの話まで足下にある日本列島により興味を持てる作品。日本地図とあわせてお楽しみください。
量子の謎に挑んだ科学者たちの100年史の文庫版。単行本は税込みだと3,000円を超える価格でしたが、文庫になってぐっと手に取りやすくなりました。単行本発売時には成毛さんをして「本書は絶版になる前に買っておくべき本の筆頭であろう。じっさいに読むのは数十年後でも良いかもしれない。」と言わしめた作品。買っておくのを忘れた人、買うなら今ですよ。
名作、「死の棘」の裏にあった事実を白日のもとにさらした話題の書。夫婦のあり方を考える、見つめ直すというテーマが「おとちん」とは共通しているのでしょうか?ちなみに、この『狂うひと』の読者は60代以上の方が70%を占めており、あわせて『死の棘』を購入している方が多いようです。昔読んだ1冊を再評価しなおしている、といったところでしょうか。
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誰が読んでいるのか? の次に多く寄せられているのは「いったいみんなどこで読んでいるのか?」という問いです。夫の前では読めないし、子どもの目に触れるところにはおけないし、かといって通勤電車の中では…と読みたいと思っている人たちの悩みは深い模様。
手元にそれを確認できるデータがないのが残念でなりません。まだ、色物本と思っている方も多い作品ですが、その話題はじわじわと、波紋のように広がってきています。