今週は根津美術館の円山応挙展に行きました。副題に「「写生」を超えて」とあるように、彼の描く繊細で色鮮やかな草花、動物はまるで呼吸をしているかのように感じられます。江戸時代中〜後期の絵師で、足のない幽霊を書き始めたとも言われています。(諸説あり)
『藤花図』に描かれた幹は下絵の線が無いため、場当たり的に描いたようにも見えます。しかし、絶妙なバランスで描かれていることから、事前に構想をよく練ったことがわかります。花も美しく繊細な色使いで描かれているので、花を見る時は近くで、幹や全体の構成は離れて眺めてみてください。また、『雲龍図屏風』の迫力も圧巻です。遠近法を駆使し、屏風の山部分に眼前に迫る龍が描かれています。濃い雲と激しい波に包まれた龍は架空のものではなく、実際に存在しているかのように思えてきます。
根津美術館の設計は新国立競技場で話題になった隈研吾。大きな屋根は和風家屋を思わせます。庭園や併設するカフェも素敵なので、晴れの日にぜひ訪れてみてください。
それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介です。
版元のみなさま、毎度ありがとうございます!