『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』 世界に君臨する成功者たちの金言集

2015年3月16日 印刷向け表示
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巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ

作者:ジェフ・ベゾス
出版社:文藝春秋
発売日:2015-03-11
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 3月13日朝、5時45分、TBSラジオの「生島ヒロシおはよう一直線」のオススメ書籍コーナーに生出演いたしました。そのときの模様を書き起こします。

 

―(生島ヒロシさん)おはようございます。今日のオススメ書籍コーナーは一日に2万アクセスそ誇るインターネット書評サイトHONZ副代表の東えりかさんに紹介していただきます。今日の本は何ですか?

卒業式のシーズンですね。華やかな袴姿の女子学生を見ると、自分が卒業した当時のことを思い出します。もう遠い昔になりました。卒業して新たに社会に羽ばたく人たちへはなむけの言葉を差し上げたい。それにぴったりの本が発売されました。

元NHKディレクターで現在はコンサルタントをされている佐藤智恵さんが翻訳された『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』という本です。

― いまTBSラジオで行っている「新生活応援キャンペーン」にぴったりの本ですね!

3月11日に発売されたばかりですから、この時期ならではの本だと思います。

この卒業式スピーチというのは、自分が卒業するときに行ったものではありません。主にアメリカの有名大学に招かれた現代の成功者が、これから社会に旅立つ人へ、自分の成功の秘訣を少しだけ明かそう、というものです。スピーチですから概ね10分から20分くらいのものでしょう。若い人に向けて簡潔で誰にでも分かり易く、その上、その成功者の信念がギュッと詰め込まれていて、大変お得で役立つ一冊となっています。

― 登場している人はキラ星のようじゃありませんか。

そうですね。アマゾンの創業者「ジェフ・ベゾス」、グーグル創業者「ラリー・ペイジ」、ヤフー!創業者「ジェリー・ヤン」、ツイッターCEO「ディック・コステロ」、アリババグループ創業者「ジャック・マー」、フェイスブックCEO「シェリル・リンドバーグ」、テスラモーターズ創業者「イーロン・マスク」、カーンアカデミー創設者「サルマン・カーン」、俳優の「トム・ハンクス」や「メリル・ストリーブ」、映画監督の「マーティン・スコセッシ」、投資の神様ウォーレン・バフェットのパートナー「チャールズ・マンガー」などが、卒業校であったり、住まいの近くの学校の友人や学長からの熱烈なオファーに応えてだったり、と様々な理由でスピーチを受け、みんな一様にとても楽しんでいるようです。

テーマも彼らの個性を生かしていて、たとえばアマゾン創業者のジェフ・ベゾスは子供の頃から何かを発明したいと願っていたそうです。ネット上での本屋のアイデアは1995年当時、無謀なもので、誰も実現しないと断言していましたが、彼は挑戦することを決めます。

彼は選択するときに自分でこう問います。

・惰性で人生を生きますか?それとも、本当に好きなことをやりますか?

・世の中の常識に従いますか?それとも、独創的な人間になりますか?

・楽な人生を選びますか?それともリスクを取り世界に貢献する人生を選びますか?

・批判に屈しますか?それとも、自分の信念に従いますか?

・間違いを犯したとき、ごまかしますか?それとも、正直に謝りますか?

・恋をしたとき、ふられるのがこわくて何も行動しませんか?それとも、思いきって行動しますか?

・冒険するのをやめますか?それとも、ちょっと向う見ずなこともやってみますか?

・つらいとき、あきらめますか?それとも、あきらめずに挑戦しつづけますか?

・ただの批評家で終わりますか?それとも何かを創造する人になりますか

・他人を犠牲にしてでも賢い人でいたいですか?それとも、他人に優しくする人でありたいですか?

これを読むだけでもこの本を手に取る価値があります。

― ぼくはトム・ハンクスの「不安はそとからやってくるもの。不安を駆り立てる言葉は耳元でささやかれる。(中略)信念は、自分の内部で培っていくもの。男女問わず、鏡に映っている「あなた」のなかにあるものです。」という言葉がぐっときましたねえ。

イェール大学でスピーチしたトム・ハンクスは、冒頭で「今日は皆さんが主役です。だから電子機器の電源は……切らないでください!」と言っています。みんな外に発信しよう、自分の名言もどんどん流してくれ、と頼むなんて、やっぱりチャーミングな人ですよね。

私は、最近、来日した名女優メリル・ストリーブの言葉が胸にしみました。
彼女は全米で最高の女子大、バーナード大学に招かれたのですが、そこで女性の可能性について話しています。生き延びるための演技が女性の可能性を広げていく、そして自分はこう行ってきた、と若いころからの経験を具体的に話していきます。有名になった自分がどうしているか、演じることのプロになり、その身につけたスキルをどう生かしているか。社会の中で女性がどういう存在であり、どうやって自分の立場を見つけるかをさりげなく語ります。さすが大女優の言葉だと思いました。

卒業生を見る目は、みんな優しいです。なにより自分がそこにいた時、あるいはいられなかったときを思い起こしているのでしょう。誰もが成功者になれるわけではないことは、彼らが一番よく知っているはずです。

卒業したばかりの人たちはもとより、今、どん底にあえいでいるけど、いつかは上にのし上がってやるぞと野心満々の人にもお勧めの、ちょっとやる気を起こしてくれる一冊です。

― 東さん、朝早くから、ありがとうございました。

「生島ヒロシのおはよう定食・おはよう一直線」 TBSラジオ 朝5時00分 ~6時30分。 (朝5時30分~ 全国33局ネット)

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HONZではこの本に登場した人の書籍をたくさん紹介している。参考までに。

ジェフ・ベゾス 果てなき野望

作者:ブラッド・ストーン
出版社:日経BP社
発売日:2014-01-08
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編集者のワンコイン広告

 

グーグル秘録 (文春文庫)

作者:ケン オーレッタ
出版社:文藝春秋
発売日:2013-09-03
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成毛眞による文庫解説

 

ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り

作者:ニック・ビルトン
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2014-04-24
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編集者のワンコイン広告村上浩のレビュー

 

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

作者:シェリル・サンドバーグ
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2013-06-26
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田中大輔のレビュー

イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者

作者:竹内一正
出版社:朝日新聞出版
発売日:2013-12-06
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久保洋介のレビュー

 

世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション

作者:サルマン・カーン
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2013-05-24
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鰐部祥平のレビュー 

世界で一番有名な卒業スピーチといったら、故・スティーブ・ジョブズの名言「ハングリーであれ。愚か者であれ」。スタンフォード大学からのリンクだが、なぜか翻訳が大阪弁。

 

 

決定版-HONZが選んだノンフィクション (単行本)
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
発売日:2021-07-07
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