こういう本を待っていた!読み終わったときに心からそう思った。私は時代を超越する普遍性を持った本を常に待ち望んでいる。保守的かもしれないが、私はビジネス書では、『道は開ける』や『人を動かす』といった古典が好きだ。
以前レビューをした『嫌われる勇気』などにも通じるところがあり、10年後、20年後に読んでも古びることのない普遍性がこの本にはあると思う。自己啓発書ではあるが、哲学に近いものがあるような気がする。一度読んだだけではもったいない、何度も読み返したくなる本だ。
ここ最近、心から人に薦められるような、グッとくるビジネス書に、あまり出会えていなかったので、「最近出た本で、オススメのものない?」と人から聞かれるたびに、けっこう返答に困っていた。でも今日からは自信を持ってこの本をオススメできるので安心だ。
著者は自分にとって座右の書のひとつとなっている『媚びない人生』のジョン・キムさん。この本は『媚びない人生』にも負けず劣らず名言のオンパレードで、書かれている言葉が深く胸に刺さる。ぜひ言葉をひとつひとつ噛み締めながら読んでほしい。
なによりタイトルがいい。『断言しよう、人生は変えられるのだ。』そうか、人生は変えられるんだ!と単純な私は前向きな気持にさせられた。そうしたら序文に、このような言葉が書かれていた。
結論からいうと、人生を変えるのは難しいことでもなんでもない。必要なのは、すこしばかりの勇気と、ほんのちょっとした視点の転換だ。
一歩を踏み出す勇気の重要性は堀江貴文さんの『ゼロ』でも言われていて、痛感していたところなのでよくわかる。でも視点の転換とはいったいどういうことだろう?
日常の景色を変えたいときには、外の景色を変えるのではなく、自分の見る目線を変えるのだ。
あなたに今、見えている世界が、あなたの理想とする世界でなければ、それはきっとあなた自身に問題がある。
なるほど。人生を変える鍵はどうやら視点を変えるというところにあるようだ。確かに、全てのことにおいて見方を変えるだけで、気持ちの持ちようというものは変わってくる。著者は他者の欠点は、必ず自分の中にもあるという。人のふり見て我がふり直せとはよくいったものだが、そのような見方ができれば、この人は苦手だと思うような人からも学ぶことができるし、色々なことを許すことができるようになれるかもしれない。
人生を変えるというと、少し大げさに聞こえるし、なにか大きなことをしなくてはいけないような気がしてくる。けれど大事なのは、ちょっとした新しいことをはじめてみることだという。小さいことの積み重ねが、気がついたら人生を大きく動かしていた。そんなこともあるかもしれない。
そこで大事になのが、時間の使い方だ。明日のために、今日を犠牲にしてはいけないと著者はいっている。人生においては常に今この瞬間が結果なのだ。人はいつ死ぬかわからない。言葉で言うのは簡単だけども、それを実感するのはなかなか難しいと思う。
でも目の前で会う人とは、もしかしたらこれが最後の出会いになるかもしれない。そんなことを意識しながら人と接することができたら、人生はもっと濃密で素敵なものになるのではないだろうか?
すべての瞬間を楽しむとは、言葉を換えれば、自分を大事にするということである。自分の人生を大事にすることだ。
「あなたは自分の人生を生きていると、自信を持っていえるだろうか?」言えない人はこの本を読んで、ぜひとも人生の軌道修正をはかってほしい。何かを始めるのは何歳からでも遅くはない!人生は変えることができるのだ。その一歩を踏み出すきっかけにぜひこの本を読んでほしい!